急性のめまいで発症する脳梗塞の初診時診断精度向上の試み -「めまいテンプレート」の有用性
要旨:【目的】急性のめまいで発症する脳梗塞の初診時診断精度向上のため,非専門医向けの簡便な「めまいテンプレート」を作成・運用し,その有用性について検討した.【方法】急性発症のめまいを主訴に当院の救急外来を受診した患者487例を対象として,その転帰などについて前向きに調査した.【結果】487例のなかで,57例(11.7%)が脳梗塞で,即日入院を指示された.脳梗塞57例のうち,6例(10.5%)は入院時に頭部MRI拡散強調画像が陰性であったが,全例において初診時に脳梗塞を疑うことができた.救急外来で帰宅を指示された394例のうち262例(66.5%)は,後日,専門外来を受診し,脳梗塞でないことを再...
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Published in | 脳卒中 Vol. 35; no. 2; pp. 79 - 85 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本脳卒中学会
25.03.2013
日本脳卒中学会 |
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Summary: | 要旨:【目的】急性のめまいで発症する脳梗塞の初診時診断精度向上のため,非専門医向けの簡便な「めまいテンプレート」を作成・運用し,その有用性について検討した.【方法】急性発症のめまいを主訴に当院の救急外来を受診した患者487例を対象として,その転帰などについて前向きに調査した.【結果】487例のなかで,57例(11.7%)が脳梗塞で,即日入院を指示された.脳梗塞57例のうち,6例(10.5%)は入院時に頭部MRI拡散強調画像が陰性であったが,全例において初診時に脳梗塞を疑うことができた.救急外来で帰宅を指示された394例のうち262例(66.5%)は,後日,専門外来を受診し,脳梗塞でないことを再確認されていた.【結論】「めまいテンプレート」は,めまいで発症する脳梗塞の初診時診断精度を向上することができ,有用と考える. |
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ISSN: | 0912-0726 1883-1923 |
DOI: | 10.3995/jstroke.35.79 |