ウェゲナー肉芽腫治療中に生じたCMV脳症

症例は57歳女性。鼻腔を中心としたWegener肉芽腫症でprednisoloneおよびcyclophosphamideにて他院で治療されていた。平成18年2月より肉芽腫が眼窩内に侵入し、眼球突出及び視力障害を呈したため、3月6日当院紹介入院となった。入院後、prednisoloneを60mgに増量し、cyclophosphamideをmethotrexateに変更して治療していた。治療変更後3週目となる4月18日より発熱・血小板減少を生じたため、骨髄穿刺を施行したところ、血球貪食細胞の出現を認めた。さらに、4月20日には意識障害、翌21日未明には痙攣を生じ、ICU入室、呼吸器管理となった。緊...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 77
Main Authors 近藤, 真, 山崎, 圭, 平安山, 直美, 小谷, 俊雄, 皆内, 康一郎, 向井, 正也, 小泉, 和輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.77.0

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Summary:症例は57歳女性。鼻腔を中心としたWegener肉芽腫症でprednisoloneおよびcyclophosphamideにて他院で治療されていた。平成18年2月より肉芽腫が眼窩内に侵入し、眼球突出及び視力障害を呈したため、3月6日当院紹介入院となった。入院後、prednisoloneを60mgに増量し、cyclophosphamideをmethotrexateに変更して治療していた。治療変更後3週目となる4月18日より発熱・血小板減少を生じたため、骨髄穿刺を施行したところ、血球貪食細胞の出現を認めた。さらに、4月20日には意識障害、翌21日未明には痙攣を生じ、ICU入室、呼吸器管理となった。緊急に施行したMRIにて左側頭葉及び前頭葉にT1で低信号域、T2で高信号域を示す領域が、血管支配と無関係に出現していた。髄液HSV PCR陰性で、血中CMV antigenemiaが高値を示した事から、GCVによる治療を施行したところ、1週間で人工呼吸器管理を離脱し、MRI上も改善傾向を認めた。ウェゲナー肉芽腫治療中に特徴的なMRI所見を呈したCMV脳症の一例を経験したので報告する。
Bibliography:15-11
ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.77.0