アセチレンブラック-不飽和ポリエステル複合系抵抗体の電気的性質

硬化促進剤としてナフテン酸コバルトを用いた場合と用いない場合の2種類のアセチレンブラック・不飽和ポリエステル樹脂系の抵抗体が作られた. ナフテン酸コバルトを用いた抵抗体の抵抗率は, 0.2重量%のアセチレンブラック濃度で急激に減少し, 一方, 硬化促進剤を含まない試料の抵抗率は1.5重量%で減少した. 40~140℃の範囲で温度に対する抵抗変化率が調べられ, いずれの試料も正の温度係数を示したが, 硬化促進剤を用いた系の変化率はより小さかった. また, 抵抗率の電圧および周波数に対する依存性を測定したが, 硬化促進剤を用いた抵抗体は電圧または周波数変化に対して用いない系よりはるかに安定であり,...

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Published in高分子論文集 Vol. 41; no. 8; pp. 459 - 463
Main Authors 斎藤, 和美, 宮内, 信之助
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 高分子学会 1984
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ISSN0386-2186
1881-5685
DOI10.1295/koron.41.459

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Summary:硬化促進剤としてナフテン酸コバルトを用いた場合と用いない場合の2種類のアセチレンブラック・不飽和ポリエステル樹脂系の抵抗体が作られた. ナフテン酸コバルトを用いた抵抗体の抵抗率は, 0.2重量%のアセチレンブラック濃度で急激に減少し, 一方, 硬化促進剤を含まない試料の抵抗率は1.5重量%で減少した. 40~140℃の範囲で温度に対する抵抗変化率が調べられ, いずれの試料も正の温度係数を示したが, 硬化促進剤を用いた系の変化率はより小さかった. また, 抵抗率の電圧および周波数に対する依存性を測定したが, 硬化促進剤を用いた抵抗体は電圧または周波数変化に対して用いない系よりはるかに安定であり, 抵抗素子材料として非常に優れた特性を示した.
ISSN:0386-2186
1881-5685
DOI:10.1295/koron.41.459