歯科麻酔科医への対応

麻酔の歴史の始まり以来,全身麻酔は医師のみでなく歯科医師によっても行われてきた.現在のわが国において,年間の全身麻酔件数は約200万件,歯科医師によって行われている件数は約1万5千件と推定される.歯科医師による全身麻酔の法的根拠は歯科医師法に拠っている.歯科医行為の範囲は「歯および口腔の組織臓器の診療」と解釈されるが,歯科医行為を行うための全身麻酔もその範囲と解釈されている.しかし医師が行う医行為に際して歯科医師が全身麻酔を行うと医師法に抵触する.現在のわが国では,歯科医師による医科麻酔は厚生労働省の研修ガイドラインに従う場合にのみ認められている....

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Bibliographic Details
Published in日本臨床麻酔学会誌 Vol. 32; no. 2; pp. 168 - 174
Main Author 澄川, 耕二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床麻酔学会 2012
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ISSN0285-4945
1349-9149
DOI10.2199/jjsca.32.168

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Summary:麻酔の歴史の始まり以来,全身麻酔は医師のみでなく歯科医師によっても行われてきた.現在のわが国において,年間の全身麻酔件数は約200万件,歯科医師によって行われている件数は約1万5千件と推定される.歯科医師による全身麻酔の法的根拠は歯科医師法に拠っている.歯科医行為の範囲は「歯および口腔の組織臓器の診療」と解釈されるが,歯科医行為を行うための全身麻酔もその範囲と解釈されている.しかし医師が行う医行為に際して歯科医師が全身麻酔を行うと医師法に抵触する.現在のわが国では,歯科医師による医科麻酔は厚生労働省の研修ガイドラインに従う場合にのみ認められている.
ISSN:0285-4945
1349-9149
DOI:10.2199/jjsca.32.168