血清CCL18値は筋炎の疾患標識マーカーとして有用である

【背景】Pulmonary and activation-regulated chemokine (CCL18)は最初に肺胞マクロファージで発見されたことに因んで命名され,近年では末梢単核球,樹状細胞やマクロファージにも発現していることが報告されている。慢性炎症性疾患である筋炎において血清CCL18が高値を呈するかどうかを検討した。【方法】治療前の筋炎65例(男女比=50:15),RA16例,シェグレン症候群4例,全身性エリテマトーデス4例,強皮症10例,成人発症スティル病5例,正常コントロール10例を対象に血清CCL18およびCCL18と構造が類似しているMIP1-bなどのケモカインをELI...

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Published inNihon Rinsho Men'eki Gakkai Sokai Shorokushu Vol. 34; p. 6
Main Authors 鎌谷, 直之, 原, まさ子, 菅野, 朗子, 川口, 鎮司, 高木, 香恵, 杉浦, 智子, 馬場, さゆみ, 副島, 誠, 市田, 久恵, 川本, 学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床免疫学会 2006
The Japan Society for Clinical Immunology
Subjects
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ISSN1880-3296
DOI10.14906/jscisho.34.0.6.0

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Summary:【背景】Pulmonary and activation-regulated chemokine (CCL18)は最初に肺胞マクロファージで発見されたことに因んで命名され,近年では末梢単核球,樹状細胞やマクロファージにも発現していることが報告されている。慢性炎症性疾患である筋炎において血清CCL18が高値を呈するかどうかを検討した。【方法】治療前の筋炎65例(男女比=50:15),RA16例,シェグレン症候群4例,全身性エリテマトーデス4例,強皮症10例,成人発症スティル病5例,正常コントロール10例を対象に血清CCL18およびCCL18と構造が類似しているMIP1-bなどのケモカインをELISAで測定した。【結果】血清CCL18値は筋炎でコントロールと比較し有意に高く(平均821.04±547.40 pg/ml versus 178.41±63.12),他の膠原病においても同様の結果であった(P < 0.0001, Kruskal Wallis H-test)。CCL18値は皮膚疾患の有無や肺病変の有無,更に疾患活動のマーカーであるCK値との関連はなかった。一方でMIP1-bは、CCL-18と比較し、筋炎に特異的な上昇は示さなかった。【考察】血清CCL18値は炎症性筋炎の診断に有用なマーカーとなる可能性が示唆されたが、間質性肺病変などの臨床的な特徴との相関はなかった。
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ISSN:1880-3296
DOI:10.14906/jscisho.34.0.6.0