S状結腸憩室穿孔に対する腹腔鏡下ハルトマン,ハルトマンリバーサル手術の経験

症例は60歳代,男性.腹痛のため前医を受診し,S状結腸憩室穿孔と診断され当院へ紹介された.HincheyIIIのS状結腸憩室炎・穿孔と診断し,腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した.術後合併症なく経過し,初回手術から4ヵ月後に腹腔鏡下ハルトマンリバーサル手術を行った.人工肛門を直視下に閉鎖した後に,腹腔鏡下に直腸断端の癒着を剥離した.直腸を授動した後に,結腸と直腸を端側吻合した(single stapling technique).術後経過は良好で,合併症なく退院した.S状結腸憩室穿孔に対するハルトマン手術,またその消化管再建術であるハルトマンリバーサル手術を腹腔鏡下に行うことの有用性が報告されてい...

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 75; no. 1; pp. 36 - 43
Main Authors 崎尾, 亮太郎, 力山, 敏樹, 柿澤, 奈緒, 宮倉, 安幸, 辻仲, 眞康, 前本, 遼, 木村, 恭彰, 石川, 英樹, 髙橋, 礼, 田巻, 佐和子, 初沢, 悠人, 町田, 枝里華
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本大腸肛門病学会 2022
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.75.36

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Summary:症例は60歳代,男性.腹痛のため前医を受診し,S状結腸憩室穿孔と診断され当院へ紹介された.HincheyIIIのS状結腸憩室炎・穿孔と診断し,腹腔鏡下ハルトマン手術を施行した.術後合併症なく経過し,初回手術から4ヵ月後に腹腔鏡下ハルトマンリバーサル手術を行った.人工肛門を直視下に閉鎖した後に,腹腔鏡下に直腸断端の癒着を剥離した.直腸を授動した後に,結腸と直腸を端側吻合した(single stapling technique).術後経過は良好で,合併症なく退院した.S状結腸憩室穿孔に対するハルトマン手術,またその消化管再建術であるハルトマンリバーサル手術を腹腔鏡下に行うことの有用性が報告されているものの,本邦での報告は少ない.文献的な考察を含め報告する.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.75.36