日本食品標準成分表2015年版(七訂)分析マニュアルに基づく加工食品中のビタミンD類分析法の改良と検証

加工食品にはビタミンDとして食品添加物のエルゴカルシフェロール(D2)およびコレカルシフェロール(D3)が使用されており,加工食品中の含有量把握のため検証された分析法が必要とされる.本研究ではD2とD3を分離定量する方法として,栄養成分分析に用いられる日本食品標準成分表2015年版〈七訂〉分析マニュアルのビタミンD分析法(マニュアル法)の加工食品中のビタミンD分析への適用性について検討を行った.検討の結果,マニュアル法にいくつかの課題が認められたため,マニュアル法に改良を加えて加工食品への適用性を検討した.野菜ジュース,豆乳,コーンフレークを用いた添加回収実験の結果,改良マニュアル法は推定方法...

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Published in食品衛生学雑誌 Vol. 61; no. 2; pp. 53 - 57
Main Authors 鈴木, 一平, 熊井, 康人, 多田, 敦子, 佐藤, 恭子, 梅垣, 敬三, 千葉, 剛, 竹林, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本食品衛生学会 25.04.2020
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Summary:加工食品にはビタミンDとして食品添加物のエルゴカルシフェロール(D2)およびコレカルシフェロール(D3)が使用されており,加工食品中の含有量把握のため検証された分析法が必要とされる.本研究ではD2とD3を分離定量する方法として,栄養成分分析に用いられる日本食品標準成分表2015年版〈七訂〉分析マニュアルのビタミンD分析法(マニュアル法)の加工食品中のビタミンD分析への適用性について検討を行った.検討の結果,マニュアル法にいくつかの課題が認められたため,マニュアル法に改良を加えて加工食品への適用性を検討した.野菜ジュース,豆乳,コーンフレークを用いた添加回収実験の結果,改良マニュアル法は推定方法定量下限(EMLOQ)相当量での回収率(相対標準偏差)がD2で103~112%(4.7~12.6%),D3で102~109%(2.4~21.8%),EMLOQの10倍量添加ではD2で100~110%(4.0~7.4%),D3では102~105%(3.8~4.8%)であった.この結果から,改良マニュアル法は加工食品中のD2,D3分析に適用可能な真度および精度を有すると推察された.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.61.53