若年者のめまい症例の臨床的検討
「はじめに」小児および思春期のめまい疾患は成人のめまい疾患と多くの面で異なる. 疾患の種類についても小児では起立性調節障害や小児良性発作性めまいが多く, 成人で頻度の高い良性発作性頭位めまい症は小児では少ない. また, 小児はめまいの性状を正確に訴えることに限界があるため, 患児の協力が得られずに十分な検査ができないことも多い. 今回われわれの施設で過去10年間に経験した小児と思春期のめまい症例について臨床的検討を加え, 若干の知見を得たので報告する. 「対象および方法」2000年8月から2010年7月に三重大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科めまい外来を受診した18歳以下の症例を対象とした...
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Published in | Equilibrium Research Vol. 71; no. 6; pp. 466 - 471 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本めまい平衡医学会
2012
日本めまい平衡医学会 |
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ISSN | 0385-5716 1882-577X |
DOI | 10.3757/jser.71.466 |
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Summary: | 「はじめに」小児および思春期のめまい疾患は成人のめまい疾患と多くの面で異なる. 疾患の種類についても小児では起立性調節障害や小児良性発作性めまいが多く, 成人で頻度の高い良性発作性頭位めまい症は小児では少ない. また, 小児はめまいの性状を正確に訴えることに限界があるため, 患児の協力が得られずに十分な検査ができないことも多い. 今回われわれの施設で過去10年間に経験した小児と思春期のめまい症例について臨床的検討を加え, 若干の知見を得たので報告する. 「対象および方法」2000年8月から2010年7月に三重大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科めまい外来を受診した18歳以下の症例を対象とした. めまい外来を受診する患者はあらかじめ一般外来で最初の診察を受ける. ここで耳鼻咽喉科的診察と直立検査, 偏倚検査, 眼振検査(注視, 頭位, 頭位変換眼振)などの平衡機能検査と標準純音聴力検査を施行し, 精査が必要と考えられた場合にめまい外来を受診する仕組みになっている. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.71.466 |