静岡県東部地域における平成7年手足口病患児のCoxsackie Virus A16のVP4領域の塩基配列についての検討

静岡県東部地域において平成7年夏の手足口病流行時におけるCoxsackie virus A16 (CA16) のVP4領域の塩基配列の検討を行った. 対象は静岡県裾野市大橋小児科医院において手足口病と診断され, 原因ウイルスがCA16であった児7例である.咽頭拭い液よりRNA抽出を行い, VP4領域を特異的に増幅するRT-PCRを行った.PCR産物は, dye-deoxy terminator法で標識後, VP4領域の207baseについて配列を決定した. 塩基配列は2通りの型に分類された.1型は3例で, 2型は4例であった.1, 2型間の相同性は90.8%であり, アミノ酸配列は69アミノ酸...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 70; no. 10; pp. 1098 - 1102
Main Authors 五島, 敏郎, 中島, 夏樹, 北村, 明子, 加藤, 達夫, 箕原, 豊, 加久, 浩文, 林, 明男, 石古, 博昭, 内田, 靖, 徳竹, 忠臣, 有本, 寛, 神吉, 耕三, 武田, 直和, 五島, 文恵, 川田, 孝吉, 畠, 啓視
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.10.1996
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.1098

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Summary:静岡県東部地域において平成7年夏の手足口病流行時におけるCoxsackie virus A16 (CA16) のVP4領域の塩基配列の検討を行った. 対象は静岡県裾野市大橋小児科医院において手足口病と診断され, 原因ウイルスがCA16であった児7例である.咽頭拭い液よりRNA抽出を行い, VP4領域を特異的に増幅するRT-PCRを行った.PCR産物は, dye-deoxy terminator法で標識後, VP4領域の207baseについて配列を決定した. 塩基配列は2通りの型に分類された.1型は3例で, 2型は4例であった.1, 2型間の相同性は90.8%であり, アミノ酸配列は69アミノ酸全て一致した. 平成7年夏の静岡県東部地域においては, 手足口病の原因ウイルスであるCA16は2つの型に分けられた.その分布は, 混在がみられ静岡県東部地域の広い範囲で2種類のウイルスが同時に流行していたと考えられた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.70.1098