同時性多発肺癌に対して肺葉切除術と重粒子線治療を行い長期無再発生存中の1例
症例は66歳男性,右上肺野腫瘤影を指摘され精査したところ,右S2末梢の35mm大の扁平上皮癌と右B7入口部の結節型内視鏡的早期扁平上皮癌を認めた.同時性多発肺癌と判断し,右S2扁平上皮癌に対して,右上葉切除および縦隔リンパ郭清を行い病理病期II B(pT3N0M0)であった.術後3ヵ月目に右B7入口部扁平上皮癌に対して61.2GyEの炭素イオン線照射を行い,CRとなった.術後5年3ヵ月,無再発生存中である.多発肺癌に対し,重粒子線治療は局所制御能に優れ,第二癌の根治的治療法のひとつとして有効と思われた....
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 2; pp. 193 - 197 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2008
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.22.193 |
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Summary: | 症例は66歳男性,右上肺野腫瘤影を指摘され精査したところ,右S2末梢の35mm大の扁平上皮癌と右B7入口部の結節型内視鏡的早期扁平上皮癌を認めた.同時性多発肺癌と判断し,右S2扁平上皮癌に対して,右上葉切除および縦隔リンパ郭清を行い病理病期II B(pT3N0M0)であった.術後3ヵ月目に右B7入口部扁平上皮癌に対して61.2GyEの炭素イオン線照射を行い,CRとなった.術後5年3ヵ月,無再発生存中である.多発肺癌に対し,重粒子線治療は局所制御能に優れ,第二癌の根治的治療法のひとつとして有効と思われた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.22.193 |