家族内発生を認めた胃限局性若年性ポリポーシスの1例

症例は50歳,女性.45歳時に胃ポリポーシスを指摘され毎年経過観察を行っていた.胃体下部から前庭部にかけて大小多彩な多発するポリープを認め,年数を経るにつれて密生型のポリープは範囲が拡大し,それぞれ増大傾向を呈した.また妹が他院にて若年性胃ポリポーシスの診断にて胃全摘術を施行されていたこともふまえ,胃限局性若年性ポリポーシスの診断にて胃全摘術を施行した.摘出標本ではほぼ胃全体に無数のポリープが密生しており,組織学的に若年性ポリポーシスの診断であった.また前庭部の表層に粘膜内癌を認めた.胃限局性若年性ポリポーシスは自験例を含め本邦報告22例と稀な疾患である.家族内に発生した胃限局性若年性ポリポー...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 12; pp. 3556 - 3560
Main Authors 三井, 敬盛, 杉浦, 弘典, 佐々木, 信義, 高嶋, 伸宏, 西田, 勉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.3556

Cover

More Information
Summary:症例は50歳,女性.45歳時に胃ポリポーシスを指摘され毎年経過観察を行っていた.胃体下部から前庭部にかけて大小多彩な多発するポリープを認め,年数を経るにつれて密生型のポリープは範囲が拡大し,それぞれ増大傾向を呈した.また妹が他院にて若年性胃ポリポーシスの診断にて胃全摘術を施行されていたこともふまえ,胃限局性若年性ポリポーシスの診断にて胃全摘術を施行した.摘出標本ではほぼ胃全体に無数のポリープが密生しており,組織学的に若年性ポリポーシスの診断であった.また前庭部の表層に粘膜内癌を認めた.胃限局性若年性ポリポーシスは自験例を含め本邦報告22例と稀な疾患である.家族内に発生した胃限局性若年性ポリポーシスの1例を経験したため文献的考察を加え報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.3556