小児市中肺炎と急性中耳炎難治例への対応 ガイドラインに基づく小児市中肺炎の最適療法

小児の市中肺炎の最適療法を行うためには, 当然のことながら小児の特殊性を理解することが重要である. さらに, 適切な病型診断と原因微生物の推定, 原因細菌の薬剤感受性動向の把握, 薬物動態 (PK) と薬力学 (PD) の理解, 治療前の検体採取, 抗菌薬のミキシング, 標準的な治療期間を遵守, 耐性菌リスクを考慮し不必要な抗菌薬を投与しないなどそれぞれ基本的な事項であるが, 数多くて複雑である. 小児感染症専門医でもアップデートはなかなか困難である. したがって, これらの基本的な事項に配慮して作成されたガイドラインを使って治療することがより現実的であり, 最適治療の近道である. ガイドライ...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 1; pp. 20 - 25
Main Author 尾内, 一信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会 20.01.2017
日本耳鼻咽喉科学会
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ISSN0030-6622
1883-0854
DOI10.3950/jibiinkoka.120.20

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Summary:小児の市中肺炎の最適療法を行うためには, 当然のことながら小児の特殊性を理解することが重要である. さらに, 適切な病型診断と原因微生物の推定, 原因細菌の薬剤感受性動向の把握, 薬物動態 (PK) と薬力学 (PD) の理解, 治療前の検体採取, 抗菌薬のミキシング, 標準的な治療期間を遵守, 耐性菌リスクを考慮し不必要な抗菌薬を投与しないなどそれぞれ基本的な事項であるが, 数多くて複雑である. 小児感染症専門医でもアップデートはなかなか困難である. したがって, これらの基本的な事項に配慮して作成されたガイドラインを使って治療することがより現実的であり, 最適治療の近道である. ガイドラインに従って, 耐性菌を増やさないように常に意識して抗菌薬の適性使用を心がけたい.
ISSN:0030-6622
1883-0854
DOI:10.3950/jibiinkoka.120.20