メッシュプラグ法で修復した上腰ヘルニアの1例

患者は57歳,女性.左腰背部膨隆を主訴に平成19年9月当院に受診され,術前CT,MRIの画像所見で左上腰ヘルニアと診断された.平成20年3月下旬全身麻酔下で手術:メッシュプラグ法による上腰ヘルニア根治術を施行した.膨隆部の中心を通る横切開を置き,広背筋中央を分割し下層に到り,上腰三角内,腹横筋腱膜に直径2cmの円形の欠損部がありそこから径6cm大の脂肪塊が突出していた.Mサイズプラグを欠損孔に挿入し腹横筋腱膜と固定した.さらにオンレイパッチをトリミングして上腰三角を覆うように固定した.術後経過は良好で術第5病日に退院され,術後1年3カ月経過した現在再発を認めていない.近年tension-fre...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 12; pp. 3718 - 3723
Main Authors 久保, 章, 徳久, 元彦, 長嶺, 弘太郎, 亀田, 久仁郎, 盛田, 知幸, 中川, 和也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.3718

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Summary:患者は57歳,女性.左腰背部膨隆を主訴に平成19年9月当院に受診され,術前CT,MRIの画像所見で左上腰ヘルニアと診断された.平成20年3月下旬全身麻酔下で手術:メッシュプラグ法による上腰ヘルニア根治術を施行した.膨隆部の中心を通る横切開を置き,広背筋中央を分割し下層に到り,上腰三角内,腹横筋腱膜に直径2cmの円形の欠損部がありそこから径6cm大の脂肪塊が突出していた.Mサイズプラグを欠損孔に挿入し腹横筋腱膜と固定した.さらにオンレイパッチをトリミングして上腰三角を覆うように固定した.術後経過は良好で術第5病日に退院され,術後1年3カ月経過した現在再発を認めていない.近年tension-freeの概念に基づいた人工材料による修復術の報告が増しており,本例では当施設で最も馴れていると考えられるメッシュプラグ法を用いて修復しえた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.3718