術後に気管支断端瘻を併発した皮膚筋炎合併肺癌の一切除例
症例は64歳の女性. 2009年3月より顔面の紅斑腫脹,嚥下困難を認めて,当院皮膚科紹介となった.皮疹,筋力低下,CPK上昇,筋肉痛,炎症反応より皮膚筋炎と診断された.同時に悪性疾患の検索が行われ,右下葉肺腺癌が認められた.右下葉切除と縦隔リンパ節郭清が行われたが,術直前に嚥下困難などの症状増悪のためステロイドを投与せざるを得なかった.術後9病日目に気胸を発症し,ドレーンを挿入するも著明なair leakが続いた.CT,気管支鏡検査にて気管支断端瘻と診断され,17病日に気管支断端瘻閉鎖と大網被覆術をおこなった.26病日に,皮膚筋炎治療のため内科転科となった.皮膚筋炎合併肺癌手術後の合併症として...
Saved in:
Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 25; no. 7; pp. 767 - 772 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2011
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.25.767 |
Cover
Summary: | 症例は64歳の女性. 2009年3月より顔面の紅斑腫脹,嚥下困難を認めて,当院皮膚科紹介となった.皮疹,筋力低下,CPK上昇,筋肉痛,炎症反応より皮膚筋炎と診断された.同時に悪性疾患の検索が行われ,右下葉肺腺癌が認められた.右下葉切除と縦隔リンパ節郭清が行われたが,術直前に嚥下困難などの症状増悪のためステロイドを投与せざるを得なかった.術後9病日目に気胸を発症し,ドレーンを挿入するも著明なair leakが続いた.CT,気管支鏡検査にて気管支断端瘻と診断され,17病日に気管支断端瘻閉鎖と大網被覆術をおこなった.26病日に,皮膚筋炎治療のため内科転科となった.皮膚筋炎合併肺癌手術後の合併症として気管支瘻に注意する必要があると思われた.また気管支断端瘻の治療として大網被覆術が有用であった. |
---|---|
ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.25.767 |