右胸腔に穿孔した再建胃管潰瘍の1例

症例は60歳男性.食遵癌根治手術の2年5カ月後右季肋部痛を主訴に当院救急外来を受診,NSAIDをふくむ感冒薬を内服していたことと造影で再建胃管から右胸腔への造影剤漏出を認めたことから,再建胃管潰瘍の右胸腔への穿孔と診断し手術を施行,穿孔部の縫合閉鎖に加えてpericardial fat graftによる補強を行い良好な結果を得た.潰瘍は術後H2ステージで推移していたが7カ月後に再発を認め,胃管粘膜の培養でHelicobacter pylori陽性であったため除菌を行い,8週後にはS1ステージまで改善した.再建胃管潰瘍が遷延,再発する場合Helicobacter pyloriの関与についても考慮...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 60; no. 2; pp. 408 - 411
Main Authors 真名瀬, 博人, 関下, 芳明, 藤森, 勝, 塩野, 恒夫, 大竹, 節之, 鈴木, 温, 行部, 洋, 宗村, 忠信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 1999
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.60.2_408

Cover

More Information
Summary:症例は60歳男性.食遵癌根治手術の2年5カ月後右季肋部痛を主訴に当院救急外来を受診,NSAIDをふくむ感冒薬を内服していたことと造影で再建胃管から右胸腔への造影剤漏出を認めたことから,再建胃管潰瘍の右胸腔への穿孔と診断し手術を施行,穿孔部の縫合閉鎖に加えてpericardial fat graftによる補強を行い良好な結果を得た.潰瘍は術後H2ステージで推移していたが7カ月後に再発を認め,胃管粘膜の培養でHelicobacter pylori陽性であったため除菌を行い,8週後にはS1ステージまで改善した.再建胃管潰瘍が遷延,再発する場合Helicobacter pyloriの関与についても考慮する必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.60.2_408