両側松葉杖一側下肢完全免荷歩行の可否と上肢筋力の関連
ダイナモメーターで測定した上肢筋力が両側松葉杖一側下肢完全歩行の可否を判別する指標になるかを明らかにすること.研究デザインは横断研究で,理学療法開始時に,両側松葉杖一側下肢完全免荷歩行自立度,年齢,身長,Body Mass Index,性別,上肢筋力,下肢筋力,片脚立位時間を調査,測定した.両側松葉杖一側下肢完全免荷歩行自立度は,200m以上の距離を安全に歩行できるかを3名の理学療法士が判断し,自立群と非自立群に分類した.上肢筋力は,握力,肘関節伸展筋力,肩関節伸展および内転筋力をそれぞれダイナモメーターを用いて測定した.分析にはX²検定とMann-WhitneyのU検定,そしてReceive...
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Published in | 高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 18; pp. 11 - 16 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
学校法人高知学園 高知リハビリテーション学院
31.03.2017
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Subjects | |
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ISSN | 1345-5648 2433-4553 |
DOI | 10.15028/00000264 |
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Summary: | ダイナモメーターで測定した上肢筋力が両側松葉杖一側下肢完全歩行の可否を判別する指標になるかを明らかにすること.研究デザインは横断研究で,理学療法開始時に,両側松葉杖一側下肢完全免荷歩行自立度,年齢,身長,Body Mass Index,性別,上肢筋力,下肢筋力,片脚立位時間を調査,測定した.両側松葉杖一側下肢完全免荷歩行自立度は,200m以上の距離を安全に歩行できるかを3名の理学療法士が判断し,自立群と非自立群に分類した.上肢筋力は,握力,肘関節伸展筋力,肩関節伸展および内転筋力をそれぞれダイナモメーターを用いて測定した.分析にはX²検定とMann-WhitneyのU検定,そしてReceiver Operating Characteristics曲線の曲線下面積を用いた.自立群8名と非自立群21名のデータを比較した結果,年齢,6分間歩行距離,握力,肘伸展筋力,肩伸展筋力,肩内転筋力,膝伸展筋力に有意差があった(p<0.01). Receiver Operating Characteristics曲線では,全ての上肢筋力が一定の筋力値によって有意に歩行自立度を判別でき,陰性的中率はいずれも80%以上であった.両側松葉杖での一側下肢完全免荷歩行の自立と上肢筋力は関連があり,上肢筋力が一定の値を下回った場合には自立が困難になる可能性が高い. |
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ISSN: | 1345-5648 2433-4553 |
DOI: | 10.15028/00000264 |