内視鏡下に摘出し得た巨大な上顎洞血瘤腫の1例
上顎洞血瘤腫は臨床病名で,しばしば骨破壊を伴って巨大化し画像上も悪性腫瘍との鑑別が困難な事も多々ある。病気の本態も種々の意見があるものの,明確でない部分も多くある。われわれは反対側の上顎洞に達する超巨大な上顎洞血瘤腫を経験し,鼻内から内視鏡下に摘出し得た。手術は,出血時の対応を勘案し,鼻外法が選択される報告も多くある。しかし,血瘤腫は固形腫瘍ではないので,手術に従い内部の組織を減量する事ができる。従って術中の出血がコントロールされていれば, 巨大な血瘤腫でも鼻内法で十分切除が可能であると考える。術前にある程度診断がついている事が肝要であるが,整容面を考えても鼻内法が良い適応であると思われる。...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 21; no. 3; pp. 223 - 227 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2012
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Subjects | |
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ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.21.223 |
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Summary: | 上顎洞血瘤腫は臨床病名で,しばしば骨破壊を伴って巨大化し画像上も悪性腫瘍との鑑別が困難な事も多々ある。病気の本態も種々の意見があるものの,明確でない部分も多くある。われわれは反対側の上顎洞に達する超巨大な上顎洞血瘤腫を経験し,鼻内から内視鏡下に摘出し得た。手術は,出血時の対応を勘案し,鼻外法が選択される報告も多くある。しかし,血瘤腫は固形腫瘍ではないので,手術に従い内部の組織を減量する事ができる。従って術中の出血がコントロールされていれば, 巨大な血瘤腫でも鼻内法で十分切除が可能であると考える。術前にある程度診断がついている事が肝要であるが,整容面を考えても鼻内法が良い適応であると思われる。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.21.223 |