多発肝転移を伴った気管支原発定型カルチノイドの一例

60歳女性.主訴は喘鳴.胸部レントゲン写真では左下葉の無気肺を認め,胸部CTでは左肺下葉気管支を閉塞する腫瘍を認めた.気管支鏡検査では腫瘍は左下葉気管支に突出しており,表面は血管増生を伴っていた.生検にて悪性腫瘍の診断を得たため,左肺下葉切除術ならびに縦隔リンパ節郭清を施行した.病理所見では定型カルチノイドであったが,術後の再検索で肝臓への転移を認めた.定型的カルチノイドの遠隔転移は稀とされるが悪性疾患であることを念頭におき,より慎重な評価が必要と思われる....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 43 - 49
Main Authors 谷, 一浩, 加藤, 裕也, 坂井, 隆, 金田, 正徳, 渡邉, 文亮, 湯浅, 右人, 森本, 保
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2008
Subjects
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.22.043

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Summary:60歳女性.主訴は喘鳴.胸部レントゲン写真では左下葉の無気肺を認め,胸部CTでは左肺下葉気管支を閉塞する腫瘍を認めた.気管支鏡検査では腫瘍は左下葉気管支に突出しており,表面は血管増生を伴っていた.生検にて悪性腫瘍の診断を得たため,左肺下葉切除術ならびに縦隔リンパ節郭清を施行した.病理所見では定型カルチノイドであったが,術後の再検索で肝臓への転移を認めた.定型的カルチノイドの遠隔転移は稀とされるが悪性疾患であることを念頭におき,より慎重な評価が必要と思われる.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.22.043