川崎病が原因と思われる高齢男性の冠動脈瘤・狭窄に対して冠動脈バイパス術を施行した1例

症例は60歳の男性.2008年11月,前立腺癌の手術中に心電図モニター上ST低下を認め,精査を行ったところ,左冠動脈主幹部から前下行枝・回旋枝分岐部に至る高度狭窄を伴う冠動脈瘤と右冠動脈近位部の完全閉塞を認めたため,当科紹介受診となった.冠動脈瘤の形態から,川崎病後遺症による冠動脈瘤を伴う冠動脈狭窄と判断し,2009年3月,冠動脈バイパス術を施行,術後14日目に合併症なく独歩退院となった.川崎病後遺症としての冠動脈瘤の成人例の報告や冠動脈バイパスを施行した報告は少なく,60歳まで無症状で経過した極めて珍しいケースであると考えられた....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 39; no. 4; pp. 203 - 205
Main Authors 長田, 裕明, 山崎, 和裕, 池田, 義, 坂田, 隆造, 佐地, 嘉章, 丸井, 晃, 仁科, 健, 南方, 謙二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2010
Subjects
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.39.203

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Summary:症例は60歳の男性.2008年11月,前立腺癌の手術中に心電図モニター上ST低下を認め,精査を行ったところ,左冠動脈主幹部から前下行枝・回旋枝分岐部に至る高度狭窄を伴う冠動脈瘤と右冠動脈近位部の完全閉塞を認めたため,当科紹介受診となった.冠動脈瘤の形態から,川崎病後遺症による冠動脈瘤を伴う冠動脈狭窄と判断し,2009年3月,冠動脈バイパス術を施行,術後14日目に合併症なく独歩退院となった.川崎病後遺症としての冠動脈瘤の成人例の報告や冠動脈バイパスを施行した報告は少なく,60歳まで無症状で経過した極めて珍しいケースであると考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.39.203