胸腔鏡併用下に切除した第1肋間神経由来神経線維腫の1例
右第1肋間神経由来の胸壁神経線維腫に対して,右鎖骨下切開に胸腔鏡を併用したアプローチが有用であった症例を経験したので報告する.症例は15歳女性,家族歴に神経線維腫症1型あり.出生時より体幹部に多数のカフェ・オ・レ斑あり.学校健診で右胸部異常陰影を指摘され当院受診.CTで右第1肋間より胸腔内へ突出する長径約5 cmの腫瘤性病変および右胸水貯留を認めた.造影MRIでは右鎖骨下静脈に接する,不均一に造影される境界明瞭な腫瘤を認めた.手術は右鎖骨下に約6 cm長の皮膚切開,および右側胸部に3ヵ所の胸腔鏡ポートを作成し,胸骨・鎖骨の切離はせずに胸腔鏡併用下に腫瘍切除を行った.腫瘍は第1肋骨に固着しており...
Saved in:
Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 4; pp. 554 - 560 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
2017
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.31.554 |
Cover
Summary: | 右第1肋間神経由来の胸壁神経線維腫に対して,右鎖骨下切開に胸腔鏡を併用したアプローチが有用であった症例を経験したので報告する.症例は15歳女性,家族歴に神経線維腫症1型あり.出生時より体幹部に多数のカフェ・オ・レ斑あり.学校健診で右胸部異常陰影を指摘され当院受診.CTで右第1肋間より胸腔内へ突出する長径約5 cmの腫瘤性病変および右胸水貯留を認めた.造影MRIでは右鎖骨下静脈に接する,不均一に造影される境界明瞭な腫瘤を認めた.手術は右鎖骨下に約6 cm長の皮膚切開,および右側胸部に3ヵ所の胸腔鏡ポートを作成し,胸骨・鎖骨の切離はせずに胸腔鏡併用下に腫瘍切除を行った.腫瘍は第1肋骨に固着しており,第1肋骨は一部合併切除した.病理診断は神経線維腫であった.本症例では胸腔鏡下に良好な手術視野を得ることができ,右鎖骨下の切開創からのアプローチで安全に腫瘍切除を行うことが可能であった. |
---|---|
ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.31.554 |