肋軟骨を用いた永久気管瘻閉鎖術の1例

51歳女性.特発性両側乳糜胸による乳糜排出困難のため気管切開術を施行し,長期化することが予想されたので永久気管瘻を作成した.しかし,5年後に分泌が減少したため永久気管瘻を閉鎖することとなった.気管軟骨欠損が3 cm×1.2 cmと比較的大きく,直接縫合が困難なため肋軟骨を移植することとした.左第7肋軟骨を採取して半割した上で切開孔の大きさよりわずかに大きめにトリミングして移植片を作成した.この割面を気管内腔に向くように切開孔にあてて,周囲の気管軟骨と4-0ポリディクサノン8針で結節縫合した.術後3日間移植部の安定のため絶飲食と発声制限を行い,経過良好で7日目に退院となった.術後1ヵ月後,6ヵ月...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 31; no. 2; pp. 155 - 159
Main Authors 土井, 健史, 荒木, 恒太, 松岡, 英仁, 上村, 亮介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2017
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.31.155

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Summary:51歳女性.特発性両側乳糜胸による乳糜排出困難のため気管切開術を施行し,長期化することが予想されたので永久気管瘻を作成した.しかし,5年後に分泌が減少したため永久気管瘻を閉鎖することとなった.気管軟骨欠損が3 cm×1.2 cmと比較的大きく,直接縫合が困難なため肋軟骨を移植することとした.左第7肋軟骨を採取して半割した上で切開孔の大きさよりわずかに大きめにトリミングして移植片を作成した.この割面を気管内腔に向くように切開孔にあてて,周囲の気管軟骨と4-0ポリディクサノン8針で結節縫合した.術後3日間移植部の安定のため絶飲食と発声制限を行い,経過良好で7日目に退院となった.術後1ヵ月後,6ヵ月後に施行した気管支鏡検査では気管粘膜との連続性は良好で移植軟骨の生着が確認され気管狭窄も認めなかった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.31.155