抗体工学を基盤とする超高感度ハプテンイムノメトリックアッセイへのアプローチ

[1. はじめに] -ハプテンのSnbfemtomole測定への挑戦- ステロイド, プロスタグランジン, カテコールアミン, オリゴペプチドなど, 生体内にはごく微量で生理作用を発揮する低分子化合物が数多く存在する. これらのように, 相対分子質量Mrが2000にも満たない化合物は一般に免疫原性を示さず, それ自体を動物に投与してもその構造を認識する抗体は得られない. しかし, 適当な高分子キャリヤーと共有結合させたのちに非経口的に投与すると抗原決定基(エピトープ)として働くため, 抗体が産生されるようになる. このような化合物は, 免疫化学の領域ではハプテンと総称される. ハプテンの超微量...

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Published inYAKUGAKU ZASSHI Vol. 127; no. 1; pp. 55 - 69
Main Authors 加藤, 芳徳, 後藤, 順一, 大山, 浩之, 小林, 典裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本薬学会 01.01.2007
日本薬学会
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ISSN0031-6903
1347-5231
DOI10.1248/yakushi.127.55

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Summary:[1. はじめに] -ハプテンのSnbfemtomole測定への挑戦- ステロイド, プロスタグランジン, カテコールアミン, オリゴペプチドなど, 生体内にはごく微量で生理作用を発揮する低分子化合物が数多く存在する. これらのように, 相対分子質量Mrが2000にも満たない化合物は一般に免疫原性を示さず, それ自体を動物に投与してもその構造を認識する抗体は得られない. しかし, 適当な高分子キャリヤーと共有結合させたのちに非経口的に投与すると抗原決定基(エピトープ)として働くため, 抗体が産生されるようになる. このような化合物は, 免疫化学の領域ではハプテンと総称される. ハプテンの超微量分析法として, 抗原抗体反応の特異性と親和力を利用した免疫測定法(イムノアッセイ)が重用されている. イムノアッセイは測定原理から競合法と非競合法に大別できるが, 1-3)ハプテンはもっぱら競合法により測定されている. 競合法は, 測定対象の化合物(抗原)と放射性同位元素, 酵素などで標識した抗原を, 一定量の抗体に対して競合的に反応させるもので(Fig. 1(A)), 抗原の増量に伴って標識体の結合率が低下する.
ISSN:0031-6903
1347-5231
DOI:10.1248/yakushi.127.55