原発性肺癌区域切除術後の断端再発との鑑別を要したステープル周囲肉芽腫の2例

原発性肺癌区域切除術後の断端再発との鑑別を要したステープル周囲肉芽腫の2例を経験したので報告する.症例1は65歳,女性.原発性肺癌に対して右S6区域切除術施行後,S2側のステープル周囲に結節影が出現した.経過で増大を認めたためS2区域切除術を施行した.病理組織学的に肉芽腫と診断された.症例2は67歳,男性.原発性肺癌に対して左S6区域切除術施行後,ステープル周囲に腫瘤影が出現した.経過で縮小を認め,気管支鏡検査およびCTガイド下生検で悪性所見を認めなかったため肉芽腫と判断し,現在まで経過観察している.原発性肺癌切除術後の断端再発を疑う病変に対しては,肉芽腫の可能性も念頭に置き,十分な検討を行う...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 33; no. 7; pp. 759 - 764
Main Authors 砥石, 政幸, 小池, 幸恵, 西村, 秀紀, 境澤, 隆夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.11.2019
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.33.759

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Summary:原発性肺癌区域切除術後の断端再発との鑑別を要したステープル周囲肉芽腫の2例を経験したので報告する.症例1は65歳,女性.原発性肺癌に対して右S6区域切除術施行後,S2側のステープル周囲に結節影が出現した.経過で増大を認めたためS2区域切除術を施行した.病理組織学的に肉芽腫と診断された.症例2は67歳,男性.原発性肺癌に対して左S6区域切除術施行後,ステープル周囲に腫瘤影が出現した.経過で縮小を認め,気管支鏡検査およびCTガイド下生検で悪性所見を認めなかったため肉芽腫と判断し,現在まで経過観察している.原発性肺癌切除術後の断端再発を疑う病変に対しては,肉芽腫の可能性も念頭に置き,十分な検討を行うことが肝要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.33.759