胸腔鏡下肺葉切除術による空洞病変切除後に,対側肺空洞病変の縮小をみた肺非結核性抗酸菌症の1例

症例は65歳,女性.肺Mycobacterium avium complex感染症(肺MAC症)で経過観察されていたが,胸部X線で陰影の悪化を認め,当院紹介受診.胸部CTで右上葉に大きな空洞病変,左舌区に空洞病変,両肺野に小葉中心性の粒状影を認めた.1年間,3剤併用化学療法を行ったが,両側とも空洞病変が増大した.右上葉の病変が主な排菌源であると考え,胸腔鏡下右上葉切除術を施行した.術後も化学療法を継続し,1年後の胸部CTでは粒状影の増悪はなく,左空洞病変は縮小した.両側肺に空洞病変を有したが,主な排菌源を低侵襲手術で切除することによって病勢が安定し,対側空洞病変の改善も得られたものと思われた....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 2; pp. 176 - 180
Main Authors 植田, 充宏, 村田, 祥武, 松岡, 隆久, 長井, 信二郎, 宮本, 好博, 松岡, 勝成
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.176

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Summary:症例は65歳,女性.肺Mycobacterium avium complex感染症(肺MAC症)で経過観察されていたが,胸部X線で陰影の悪化を認め,当院紹介受診.胸部CTで右上葉に大きな空洞病変,左舌区に空洞病変,両肺野に小葉中心性の粒状影を認めた.1年間,3剤併用化学療法を行ったが,両側とも空洞病変が増大した.右上葉の病変が主な排菌源であると考え,胸腔鏡下右上葉切除術を施行した.術後も化学療法を継続し,1年後の胸部CTでは粒状影の増悪はなく,左空洞病変は縮小した.両側肺に空洞病変を有したが,主な排菌源を低侵襲手術で切除することによって病勢が安定し,対側空洞病変の改善も得られたものと思われた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.176