肋骨原発軟骨肉腫の1切除例―適切な切除縁の設定に関する検討

症例は66歳男性.腰部脊柱管狭窄症の精査中,胸部X線にて右下肺野に26 mm大の結節影を認め,CT検査にて右第6肋骨より胸腔内に発育する腫瘍を認めた.造影MRI検査にてT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,造影効果はわずかであったため,軟骨肉腫が疑われ,軟骨腫等が鑑別にあがった.術前生検は施行せず,3 cmの切除縁を確保しての広範切除術を施行した.術中迅速病理検査にてlow gradeの軟骨肉腫あるいは軟骨腫との診断であった.胸壁はMarlex meshにて再建した.最終病理検査にて,軟骨肉腫(Grade 1)の診断であった.軟骨肉腫は外科的切除以外に有効な治療法はないとされており...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 27; no. 7; pp. 817 - 821
Main Authors 花桐, 武志, 門司, 祥子, 田中, 文啓, 岩田, 輝男, 宗, 知子, 浦本, 秀隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2013
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.27.817

Cover

More Information
Summary:症例は66歳男性.腰部脊柱管狭窄症の精査中,胸部X線にて右下肺野に26 mm大の結節影を認め,CT検査にて右第6肋骨より胸腔内に発育する腫瘍を認めた.造影MRI検査にてT1強調画像で低信号,T2強調画像で高信号を呈し,造影効果はわずかであったため,軟骨肉腫が疑われ,軟骨腫等が鑑別にあがった.術前生検は施行せず,3 cmの切除縁を確保しての広範切除術を施行した.術中迅速病理検査にてlow gradeの軟骨肉腫あるいは軟骨腫との診断であった.胸壁はMarlex meshにて再建した.最終病理検査にて,軟骨肉腫(Grade 1)の診断であった.軟骨肉腫は外科的切除以外に有効な治療法はないとされており,広範切除を行うことが肝要である.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.27.817