早期胃癌術後に所属リンパ節がサルコイド反応を来した原発性胆汁性肝硬変の1例

症例は69歳男性. 2002年9月2日, 左下腹部痛を主訴に当科初診した. 早期胃癌の診断で同年10月11日, 当院外科にて胃分節切除術を施行した. 術前から認めていた肝機能障害が術後一過性に増悪し, 血清抗核抗体・抗ミトコンドリア抗体高値の為, 肝生検を施行して原発性胆汁性肝硬変 (Primary biliary cirrhosis, 以下PBC) のStage Iと診断した. その後, 術後13カ月後の腹部CTで胃所属リンパ節の腫脹を認め, その3カ月後のCTで増大傾向を示した為, 開腹リンパ節生検を施行した. リンパ節には非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認め, 臨床所見からサルコイドーシス等...

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Published in肝臓 Vol. 46; no. 7; pp. 437 - 442
Main Authors 吉田, 雅, 小川, 弥生, 樋口, 晶文, 永坂, 敦, 西川, 秀司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2005
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.46.437

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Summary:症例は69歳男性. 2002年9月2日, 左下腹部痛を主訴に当科初診した. 早期胃癌の診断で同年10月11日, 当院外科にて胃分節切除術を施行した. 術前から認めていた肝機能障害が術後一過性に増悪し, 血清抗核抗体・抗ミトコンドリア抗体高値の為, 肝生検を施行して原発性胆汁性肝硬変 (Primary biliary cirrhosis, 以下PBC) のStage Iと診断した. その後, 術後13カ月後の腹部CTで胃所属リンパ節の腫脹を認め, その3カ月後のCTで増大傾向を示した為, 開腹リンパ節生検を施行した. リンパ節には非乾酪性類上皮細胞性肉芽腫を認め, 臨床所見からサルコイドーシス等は否定的であり, 術後のサルコイド反応と診断した. これまでに術後1年経過してから所属リンパ節がサルコイド反応を来した報告例は無く, PBCを背景として発症したサルコイド反応と考えられた非常に稀有な1例と考えられた為, 文献的考察を加えて報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.46.437