ヘルニア内容が虫垂であった鼠径ヘルニアの1例

ヘルニア内容が虫垂であった鼠径ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は60歳,男性.2日前からの右鼠径部痛で当院を受診した.右鼠径部に明らかな膨隆は認めないが,CTでは右鼠径ヘルニアを認め,その内容は盲腸と連続し虫垂であった.症状,炎症所見ともに軽度であり,イレウス所見も認めないため,待機的に手術を施行した.術中診断はCTで診断された通りであったが,虫垂先端部が内鼠径輪で締め付けられ,赤く変色していた.別創から虫垂切除を行った後,ヘルニアはMesh-plug法で修復した.術後経過は順調で,第6病日に軽快退院した. 鼠径ヘルニア内容が虫垂であることは比較的まれであり,Amyand'...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 9; pp. 2448 - 2454
Main Authors 尾形, 英生, 加藤, 広行, 宮地, 和人, 高橋, 雅一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.2448

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Summary:ヘルニア内容が虫垂であった鼠径ヘルニアの1例を経験したので報告する.症例は60歳,男性.2日前からの右鼠径部痛で当院を受診した.右鼠径部に明らかな膨隆は認めないが,CTでは右鼠径ヘルニアを認め,その内容は盲腸と連続し虫垂であった.症状,炎症所見ともに軽度であり,イレウス所見も認めないため,待機的に手術を施行した.術中診断はCTで診断された通りであったが,虫垂先端部が内鼠径輪で締め付けられ,赤く変色していた.別創から虫垂切除を行った後,ヘルニアはMesh-plug法で修復した.術後経過は順調で,第6病日に軽快退院した. 鼠径ヘルニア内容が虫垂であることは比較的まれであり,Amyand's herniaと言われている.本症例では術前のCT検査でAmyand's herniaを診断する所見が認められた.Amyand's herniaの1例とこのヘルニアの診断と治療に関する文献的考察を含め報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.2448