胸腺腫と鑑別困難であったCastleman病の1例

症例は48歳男性.健康診断の胸部単純X線写真で異常を指摘され,前医を受診した.CTで前縦隔腫瘍を認め,加療目的で当科紹介となった.造影CTで前縦隔に高い造影効果を有する7.5×5.8×3.4 cmの腫瘍を認め,浸潤傾向のある胸腺腫と診断した.術中所見で腫瘍内に内胸動脈から分岐した多数の流入血管を認め,拡大胸腺摘出術を行った.病理検査の結果,硝子血管型(hyaline-vascular type)のCastleman病と診断された.縦隔以外の他領域に病変は認めず,前縦隔に単独発生した単中心性Castleman病と診断した.術前の画像診断および術中所見で胸腺腫と鑑別困難であったCastleman病...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 35; no. 4; pp. 309 - 314
Main Authors 魚本, 昌志, 蜂須賀, 康己, 藤岡, 真治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2021
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.35.309

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Summary:症例は48歳男性.健康診断の胸部単純X線写真で異常を指摘され,前医を受診した.CTで前縦隔腫瘍を認め,加療目的で当科紹介となった.造影CTで前縦隔に高い造影効果を有する7.5×5.8×3.4 cmの腫瘍を認め,浸潤傾向のある胸腺腫と診断した.術中所見で腫瘍内に内胸動脈から分岐した多数の流入血管を認め,拡大胸腺摘出術を行った.病理検査の結果,硝子血管型(hyaline-vascular type)のCastleman病と診断された.縦隔以外の他領域に病変は認めず,前縦隔に単独発生した単中心性Castleman病と診断した.術前の画像診断および術中所見で胸腺腫と鑑別困難であったCastleman病の1例を経験した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.35.309