術前診断した空腸粘液腺癌の1切除例
症例57歳,男性.嘔吐を主訴に精査加療目的に当院に紹介された.腹部CTで空腸に3cmの腫瘤陰影を認め,栄養血管は第3空腸動脈枝であった.小腸内視鏡検査でTreitz靱帯から約40cm肛門側の空腸に全周性腫瘤を認め内腔は閉塞していた.生検で腺癌であり,手術を行った.腫瘤から10cm離した小腸切除と中間リンパ節までを郭清した.病理組織所見はmucinous adenocarcinoma,pSS,int,INFα,ly1,v1,pN0(0/28),CY0.TNM分類でpT3,pN0,M0,ステージ2.術後1年再発を認めていない. 本症例は粘液癌であり,稀な組織型であった.CTで栄養血管が同定でき,術...
Saved in:
Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 6; pp. 1735 - 1739 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2009
|
Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.70.1735 |
Cover
Summary: | 症例57歳,男性.嘔吐を主訴に精査加療目的に当院に紹介された.腹部CTで空腸に3cmの腫瘤陰影を認め,栄養血管は第3空腸動脈枝であった.小腸内視鏡検査でTreitz靱帯から約40cm肛門側の空腸に全周性腫瘤を認め内腔は閉塞していた.生検で腺癌であり,手術を行った.腫瘤から10cm離した小腸切除と中間リンパ節までを郭清した.病理組織所見はmucinous adenocarcinoma,pSS,int,INFα,ly1,v1,pN0(0/28),CY0.TNM分類でpT3,pN0,M0,ステージ2.術後1年再発を認めていない. 本症例は粘液癌であり,稀な組織型であった.CTで栄養血管が同定でき,術前にリンパ節郭清範囲を規定できた.術前小腸内視鏡が確定診断に有効であった. |
---|---|
ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.70.1735 |