経口的咽喉頭手術を施行した多発性の咽喉頭表在癌症例の検討

内視鏡診断法の進歩により,頭頸部の表在癌が発見できるようになり,その治療法として経口的咽喉頭手術が普及してきている。咽喉頭領域のみでも同時性または異時性に多発癌病変に遭遇することは少なくない。今回,経口切除を施行した症例を対象とし多発咽喉頭癌症例のリスク因子と同時複数病変切除施行によるリスク因子について検討した。複数病変の発症は単変量解析にて頭頸部癌既往歴と食道癌既往歴が有意なリスク因子であった。複数病変の同時切除および複数病変の複数回切除によるリスク因子を検討したところ明らかな因子はなかった。適切な切除の判断と術後狭窄予防で安全な手術は施行できるが,今後多施設の前向きな検討が必要である。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 32; no. 1; pp. 23 - 29
Main Authors 河野, 崇志, 竹野, 幸夫, 上田, 勉, 築家, 伸幸, 濱本, 隆夫, 弓井, 康平, 樽谷, 貴之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2022
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.32.29

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Summary:内視鏡診断法の進歩により,頭頸部の表在癌が発見できるようになり,その治療法として経口的咽喉頭手術が普及してきている。咽喉頭領域のみでも同時性または異時性に多発癌病変に遭遇することは少なくない。今回,経口切除を施行した症例を対象とし多発咽喉頭癌症例のリスク因子と同時複数病変切除施行によるリスク因子について検討した。複数病変の発症は単変量解析にて頭頸部癌既往歴と食道癌既往歴が有意なリスク因子であった。複数病変の同時切除および複数病変の複数回切除によるリスク因子を検討したところ明らかな因子はなかった。適切な切除の判断と術後狭窄予防で安全な手術は施行できるが,今後多施設の前向きな検討が必要である。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.32.29