頸部に発生した脱分化型脂肪肉腫の1例

脂肪肉腫は軟部組織に発生する悪性腫瘍の11.5%を占め,最も頻度の高いもののひとつであるが,頭頸部領域における発生は稀である。脱分化型脂肪肉腫は脂肪肉腫の組織亜型のひとつであり,脂肪細胞に富む高分化領域と紡錘形細胞に富む脱分化領域とが混在した腫瘍である。今回,頸部に発生した稀な脱分化型脂肪肉腫を経験したので報告する。症例は79歳男性。右頸部腫瘤を主訴に前医を受診し,生検で紡錘形細胞腫瘍が疑われたため当科へ紹介された。右頸部悪性腫瘍として切除術を施行し,脱分化型脂肪肉腫と診断された。術後放射線治療70Gy施行し,再発なく経過している。軟部腫瘍が疑われた場合は本疾患を鑑別に入れる必要があると考える...

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Published in頭頸部外科 Vol. 33; no. 1; pp. 91 - 96
Main Authors 古梅, 純規, 鈴木, 健介, 藤澤, 琢郎, 野田, 百合, 八木, 正夫, 阪上, 智史, 岩井, 大, 清水, 皆貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2023
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Summary:脂肪肉腫は軟部組織に発生する悪性腫瘍の11.5%を占め,最も頻度の高いもののひとつであるが,頭頸部領域における発生は稀である。脱分化型脂肪肉腫は脂肪肉腫の組織亜型のひとつであり,脂肪細胞に富む高分化領域と紡錘形細胞に富む脱分化領域とが混在した腫瘍である。今回,頸部に発生した稀な脱分化型脂肪肉腫を経験したので報告する。症例は79歳男性。右頸部腫瘤を主訴に前医を受診し,生検で紡錘形細胞腫瘍が疑われたため当科へ紹介された。右頸部悪性腫瘍として切除術を施行し,脱分化型脂肪肉腫と診断された。術後放射線治療70Gy施行し,再発なく経過している。軟部腫瘍が疑われた場合は本疾患を鑑別に入れる必要があると考える。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.33.91