メシル酸イマチニブ投与後に切除した胃GIST肝転移の1例

症例は78歳, 女性. 2001年2月胃の粘膜下腫瘍に対して噴門側胃切除術を施行した. 病理組織学的に紡錘形細胞の増生を認めた. 免疫組織学的検査では, c-kit, CD34陽性でありgastrointestinal stromal tumorと診断された. 2002年12月腹部CTで肝S2に転移を認め, 肝部分切除術を施行した. 2005年1月肝S3に再度肝転移を認めたため, メシル酸イマチニブの投与を開始した (400mg/日). 投与開始1カ月の腹部CTでは, 腫瘍の大きさに変化はなかったが, 内部性状に変化を認めた. 投与開始3カ月の腹部CTでは, 1カ月目のCTと比べ大きさ, 内部...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 68; no. 2; pp. 415 - 419
Main Authors 坂本, 千尋, 右田, 和寛, 大山, 孝雄, 山本, 克彦, 渡辺, 明彦, 石川, 博文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2007
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.68.415

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Summary:症例は78歳, 女性. 2001年2月胃の粘膜下腫瘍に対して噴門側胃切除術を施行した. 病理組織学的に紡錘形細胞の増生を認めた. 免疫組織学的検査では, c-kit, CD34陽性でありgastrointestinal stromal tumorと診断された. 2002年12月腹部CTで肝S2に転移を認め, 肝部分切除術を施行した. 2005年1月肝S3に再度肝転移を認めたため, メシル酸イマチニブの投与を開始した (400mg/日). 投与開始1カ月の腹部CTでは, 腫瘍の大きさに変化はなかったが, 内部性状に変化を認めた. 投与開始3カ月の腹部CTでは, 1カ月目のCTと比べ大きさ, 内部性状に変化はなかった. 有害事象としては, Grade1の食欲不振と口内炎, 下痢, 顔面浮腫を認めた. 2005年6月に肝外側区域切除術を施行した. 切除標本の病理組織学的検査では, 腫瘍の大半は硝子様変性を伴った線維性組織に変化していたが, 一部に活動性の腫瘍細胞を認めた. 現在再発兆候を認めていない.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.68.415