放射線化学療法後サルベージ手術を行った完全内臓逆位併存IV期胸腺癌の1例
胸腺癌に対するサルベージ手術はまれである.今回,完全内臓逆位を伴うIV期胸腺癌と診断され,他院で放射線化学療法を施行,PRとなりサルベージ手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は61歳,男性.胸部CTで41mmの前縦隔腫瘍と気管分岐下リンパ節腫大,肺腫瘍を認めた.胸腔鏡下左肺部分切除,縦隔腫瘍の針生検でIV期胸腺癌と診断された.前縦隔への放射線治療(60Gy)およびカルボプラチンとパクリタキセル併用化学療法6コース後,PRと判断され,サルベージ手術を施行した.胸骨正中切開で胸腺胸腺癌摘出,心膜・左肺部分合併切除を施行,上行大動脈左側からアプローチして上縦隔,気管分岐下リンパ節を郭清後,...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 11; pp. 2681 - 2685 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本臨床外科学会
2016
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Subjects | |
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ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
DOI | 10.3919/jjsa.77.2681 |
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Summary: | 胸腺癌に対するサルベージ手術はまれである.今回,完全内臓逆位を伴うIV期胸腺癌と診断され,他院で放射線化学療法を施行,PRとなりサルベージ手術を施行した1例を経験したので報告する.症例は61歳,男性.胸部CTで41mmの前縦隔腫瘍と気管分岐下リンパ節腫大,肺腫瘍を認めた.胸腔鏡下左肺部分切除,縦隔腫瘍の針生検でIV期胸腺癌と診断された.前縦隔への放射線治療(60Gy)およびカルボプラチンとパクリタキセル併用化学療法6コース後,PRと判断され,サルベージ手術を施行した.胸骨正中切開で胸腺胸腺癌摘出,心膜・左肺部分合併切除を施行,上行大動脈左側からアプローチして上縦隔,気管分岐下リンパ節を郭清後,心膜再建術を施行した. 病理組織診断は胸腺扁平上皮癌で心膜と肺に浸潤は認めず,リンパ節転移はなく切除断端は陰性,yT1N0M0,EF2であった.術後経過良好で,術後1年4カ月再発を認めない. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.77.2681 |