ダブルルーメンチューブ挿管後に発症した声門下狭窄の1例
ダブルルーメンチューブ(以下DLT)挿管後に発症した声門下狭窄を経験した。症例は81歳女性,呼吸困難,嗄声を主訴に肺癌術後2日に当科を受診した。声門下にweb状の狭窄を認め,声門下狭窄と診断した。気管切開を行い保存的に経過を診たところ,術後3日に気道は完全閉塞,術後4日に前方から改善傾向となり術後9日に改善した。DLT挿管後の声門下狭窄の報告は,検索し得た範囲では本邦のみであり本例を含め計6例,全例肺癌の症例であった。女性,低身長,高齢という傾向が認められた。DLT挿管後の声門下狭窄は術後3日以内に診断されており,これら特徴を有する患者へDLTを挿管する際は,特に術後3日は注意が必要と考える。...
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Published in | 頭頸部外科 Vol. 29; no. 2; pp. 197 - 201 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
2019
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1349-581X 1884-474X |
DOI | 10.5106/jjshns.29.197 |
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Summary: | ダブルルーメンチューブ(以下DLT)挿管後に発症した声門下狭窄を経験した。症例は81歳女性,呼吸困難,嗄声を主訴に肺癌術後2日に当科を受診した。声門下にweb状の狭窄を認め,声門下狭窄と診断した。気管切開を行い保存的に経過を診たところ,術後3日に気道は完全閉塞,術後4日に前方から改善傾向となり術後9日に改善した。DLT挿管後の声門下狭窄の報告は,検索し得た範囲では本邦のみであり本例を含め計6例,全例肺癌の症例であった。女性,低身長,高齢という傾向が認められた。DLT挿管後の声門下狭窄は術後3日以内に診断されており,これら特徴を有する患者へDLTを挿管する際は,特に術後3日は注意が必要と考える。 |
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ISSN: | 1349-581X 1884-474X |
DOI: | 10.5106/jjshns.29.197 |