メッシュを使用した傍人工肛門ヘルニア根治術の10症例

傍人工肛門ヘルニアの存在により,パウチの固定が不安定である,排便時に疼痛を認めるなどの有症状例を手術適応とし,1998年2月より2010年1月までにメッシュを使用した傍人工肛門ヘルニア根治術を10症例経験した.女性7名,男性3名,平均年齢は70歳であった.方法は,腹腔内より人工肛門につながる挙上腸管を全周性にメッシュで覆い,メッシュと腹壁を固定.ヘルニア門を閉鎖した.平均手術時間は167分(63-314分),平均出血量は149mL(15-361mL)であった.当初の6例ではポリプロピレン製のメッシュを使用していたが,そのうち1例でメッシュが原因と考えられる難治性の腸管皮膚瘻を形成した.このため...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 72; no. 3; pp. 567 - 571
Main Authors 駒屋, 憲一, 西尾, 秀樹, 小林, 一郎, 森浦, 滋明, 松原, 秀雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2011
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.72.567

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Summary:傍人工肛門ヘルニアの存在により,パウチの固定が不安定である,排便時に疼痛を認めるなどの有症状例を手術適応とし,1998年2月より2010年1月までにメッシュを使用した傍人工肛門ヘルニア根治術を10症例経験した.女性7名,男性3名,平均年齢は70歳であった.方法は,腹腔内より人工肛門につながる挙上腸管を全周性にメッシュで覆い,メッシュと腹壁を固定.ヘルニア門を閉鎖した.平均手術時間は167分(63-314分),平均出血量は149mL(15-361mL)であった.当初の6例ではポリプロピレン製のメッシュを使用していたが,そのうち1例でメッシュが原因と考えられる難治性の腸管皮膚瘻を形成した.このため,最近の4症例ではexpanded polytetrafluoroethylene(以下,ePTFE)面とポリプロピレン面からなる2層性のメッシュを使用し,特に合併症は起きていない.本法は根治性が高く,比較的低侵襲で,優れた術式である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.72.567