肺腺癌が併存した肺孤立性扁平上皮性乳頭腫の1例

症例は70歳,女性.肺がん検診を契機に,右肺上葉と左肺下葉に各1個の結節性病変を発見された.右肺病変は気管支鏡下生検で扁平上皮性乳頭腫の診断を得た.胸腔鏡補助下右肺上葉切除・胸腔鏡下左肺楔状部分切除を行い,左肺病変は乳頭型腺癌の診断に至った.術後経過は良好で,術後1年現在再発を認めていない.肺・気管支の孤立性乳頭腫は稀な腫瘍であるが,なかでも原発性肺癌の合併・併存例は極めて少ない.自験例では,これらが独立した部位に存在し,肺癌の組織型が合併・併存頻度の少ない腺癌で,共通の病因とされている喫煙歴,Human Papilloma Virus(HPV)感染所見を認めなかったため,偶発的に併存したもの...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 12; pp. 2920 - 2925
Main Authors 関, 恵理奈, 後藤, 正志, 青山, 克彦, 山田, 晶, 下高原, 昭廣, 芳賀, 孝之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.2920

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Summary:症例は70歳,女性.肺がん検診を契機に,右肺上葉と左肺下葉に各1個の結節性病変を発見された.右肺病変は気管支鏡下生検で扁平上皮性乳頭腫の診断を得た.胸腔鏡補助下右肺上葉切除・胸腔鏡下左肺楔状部分切除を行い,左肺病変は乳頭型腺癌の診断に至った.術後経過は良好で,術後1年現在再発を認めていない.肺・気管支の孤立性乳頭腫は稀な腫瘍であるが,なかでも原発性肺癌の合併・併存例は極めて少ない.自験例では,これらが独立した部位に存在し,肺癌の組織型が合併・併存頻度の少ない腺癌で,共通の病因とされている喫煙歴,Human Papilloma Virus(HPV)感染所見を認めなかったため,偶発的に併存したものと考えた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.2920