外科的切除を行った肺放線菌症3例の検討

外科的切除を行った肺放線菌症の3症例を報告する.症例1は87歳男性.持続する血痰を主訴に受診,CT上右中葉に20 mm大の結節影を認め原発性肺癌を疑い右中葉切除術を施行した.病理診断で肺放線菌症と診断.症例2は73歳女性.肺MAC症で経過観察中に大量喀血による出血性ショックで内科入院,気管支鏡検査で肺放線菌症と診断された.血痰の持続を認め症状制御も兼ねて左肺底区切除術を施行した.症例3は65歳男性.血痰・胸背部痛を主訴に受診.胸部CT上30 mm大の結節影を認め,原発性肺癌を疑い左上区切除術を施行,病理診断で肺放線菌症と診断.3例とも術後から現在まで症状の再燃は認めていない.本疾患は術前診断が...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 1; pp. 31 - 36
Main Authors 藤原, 敦史, 奥村, 典仁, 山科, 明彦, 亀山, 耕太郎, 中島, 尊, 松岡, 智章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.31

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Summary:外科的切除を行った肺放線菌症の3症例を報告する.症例1は87歳男性.持続する血痰を主訴に受診,CT上右中葉に20 mm大の結節影を認め原発性肺癌を疑い右中葉切除術を施行した.病理診断で肺放線菌症と診断.症例2は73歳女性.肺MAC症で経過観察中に大量喀血による出血性ショックで内科入院,気管支鏡検査で肺放線菌症と診断された.血痰の持続を認め症状制御も兼ねて左肺底区切除術を施行した.症例3は65歳男性.血痰・胸背部痛を主訴に受診.胸部CT上30 mm大の結節影を認め,原発性肺癌を疑い左上区切除術を施行,病理診断で肺放線菌症と診断.3例とも術後から現在まで症状の再燃は認めていない.本疾患は術前診断が困難であり,肺癌の疑いで手術となり切除により確定診断された報告が多いが,術前診断が得られている場合も,血痰を伴う場合は喀血のリスクを回避する意味でも早期に病巣の切除を考慮すべきと思われた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.31