家庭での性教育における親の果たすべき役割
目 的 本研究の目的は，家庭での性教育における親の果たすべき役割を親子双方の視点から明らかにすることである。 研究参加者と方法 研究参加者は，A県下M市内中学校1年生から3年生の親子の中から，10組21名を抽出し文書で通知，その後電話で研究の説明をおこない内諾が得られたものとした。親が10名、子どもが11名で、親子別々に家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について非構成化面接を行い，データ収集を行った。得られたデータを質的に記述し分析を行った。 結 果 家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について11カテゴリーが抽出された。その中で、親が考える家庭での性教育における親の果...
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| Published in | 日本助産学会誌 Vol. 24; no. 2; pp. 333 - 344 |
|---|---|
| Main Authors | , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本助産学会
2010
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0917-6357 1882-4307 |
| DOI | 10.3418/jjam.24.333 |
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| Abstract | 目 的 本研究の目的は，家庭での性教育における親の果たすべき役割を親子双方の視点から明らかにすることである。 研究参加者と方法 研究参加者は，A県下M市内中学校1年生から3年生の親子の中から，10組21名を抽出し文書で通知，その後電話で研究の説明をおこない内諾が得られたものとした。親が10名、子どもが11名で、親子別々に家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について非構成化面接を行い，データ収集を行った。得られたデータを質的に記述し分析を行った。 結 果 家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について11カテゴリーが抽出された。その中で、親が考える家庭での性教育における親の果たすべき役割は、【学校教育での性教育の内容を知る】【学校教育との連携をはかる】【性の相談に対応し知恵を伝授する】【子どもの成長発達を受け止める】【正しい性知識を伝える】【親子の関係性を調整する】【性情報の氾濫に対応する】【夫婦の関係を円満にする】の8カテゴリーが抽出された。また子どもが考える家庭での性教育における親の果たすべき役割は、【子どもが望む性教育実現への支援】【子どもの求める性問題へ介入する】【家庭環境を調整する】の3カテゴリーが明確となった。 結 論 本研究より，家庭での性教育における親の果たすべき役割は，知識だけではなく経験の中での知恵や細かい実践部分での対応に関連していた。子どもと親との関係において，どれくらい親が子どもに向き合い子どもにとって話しやすい相手であることかが重要であった。 |
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| AbstractList | 目 的 本研究の目的は，家庭での性教育における親の果たすべき役割を親子双方の視点から明らかにすることである。 研究参加者と方法 研究参加者は，A県下M市内中学校1年生から3年生の親子の中から，10組21名を抽出し文書で通知，その後電話で研究の説明をおこない内諾が得られたものとした。親が10名、子どもが11名で、親子別々に家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について非構成化面接を行い，データ収集を行った。得られたデータを質的に記述し分析を行った。 結 果 家庭での性教育実施における親の果たすべき役割について11カテゴリーが抽出された。その中で、親が考える家庭での性教育における親の果たすべき役割は、【学校教育での性教育の内容を知る】【学校教育との連携をはかる】【性の相談に対応し知恵を伝授する】【子どもの成長発達を受け止める】【正しい性知識を伝える】【親子の関係性を調整する】【性情報の氾濫に対応する】【夫婦の関係を円満にする】の8カテゴリーが抽出された。また子どもが考える家庭での性教育における親の果たすべき役割は、【子どもが望む性教育実現への支援】【子どもの求める性問題へ介入する】【家庭環境を調整する】の3カテゴリーが明確となった。 結 論 本研究より，家庭での性教育における親の果たすべき役割は，知識だけではなく経験の中での知恵や細かい実践部分での対応に関連していた。子どもと親との関係において，どれくらい親が子どもに向き合い子どもにとって話しやすい相手であることかが重要であった。 |
| Author | 北川, 眞理子 小倉, 由紀子 |
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| Copyright | 2010 日本助産学会 |
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| DOI | 10.3418/jjam.24.333 |
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| EISSN | 1882-4307 |
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| PublicationTitle | 日本助産学会誌 |
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| PublicationYear | 2010 |
| Publisher | 一般社団法人 日本助産学会 |
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| References | 川原ゆかり（1998）．性教育と親の権利．思春期学，16(2)，227-231. 武富弥栄子，尾崎岩太，山田茂人（2003）．大学生保護者のHIV・STDに関する意識調査．日本エイズ学会，5(2)，76-81. 内田貞子（2001）．性教育での家庭・地域・学校の連携の一例．思春期学，19(1)，52-57. 深谷昌志（2000）．モノグラフ．小学生ナウ，21(1)，19-21. 林猪都子，波川京子（2000）．児童と両親の性教育に関するニーズの相違.母性衛生，41(2)，266-270. 渡辺典子（2004）．大学生の性の実態と今後の性教育のあり方．思春期学，22(4)，547-554. 鈴木康江（2005）．思春期性教育活動にむけての基礎調査．母性衛生，45(4)，512-517. 石沢敦子，矢島まさえ（2004）．思春期における性教育のあり方その1．群馬パース学園短期大学紀要，6(1)，3-11. 小川好美，朝井均（2006）．性教育における日独比較検討．大阪教育大学紀要，55(1)，1-20. 宮崎つた子（2004）．Virtual image時代の思春期の性の問題と対応，性教育の経験の受け止めと今後の方向性．思春期学，22(3)，345-352. Baldwin, S.E., & Baranoski, M.V. Family (1990). Interaction sex education in the home. Adolescence, 25(99), 573-582. 厚生労働省統計 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html [2010-06-25] 宍戸章予，斉藤益子，木村好秀（2007）．わが国の家庭での性教育に関する研究の動向と今後の課題．思春期学，25(3)，337-349. 斉藤益子，木村好秀，関島秀子（2004）．中学生をもつ親の性意識．思春期学，22(2)，268-274. Fusae Kondo，多田敏子，濱佳子（2001）．中学・高校生の性にかかわる問題と学校における性教育．徳島大医短紀要，11，49-59. 田川真理子，池田明美，吉開陽子（2001）．二次性徴の発現に伴う性の悩みと親子関係．母性衛生，42(1)，34-42. 財団法人日本性教育協会編（2007）．「若者の性」白書，第6回青少年の全国調査報告．東京：小学館. 健やか親子21検討委員会：健やか親子21検討会報告書 http:/rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/index.html[2006-12-4] 高橋久美子（1994）．中学生の性意識の発達と性教育における親の役割．福岡大学紀要，43(5)，139-148. Dutra, R. Miller. K.S., & Forehand. R. (1999). The process and content of sexual communication with adolessence in two-parent families associations with sexual risk-taking behavior. AIDS and Behavior, 3(1), 59-66. 瀬戸致行（2001）．今後の性教育を考える—思春期クリニックの現状から—．思春期学，19(3)，285-289. 渋井哲也（2005）．Virtual image時代の思春期の性の問題と対応，インターネットとセックス．母性衛生，46(1)，11-12. 丹羽さゆり，水谷聖子，大橋裕子，水谷勇（2005）．中学生を持つ保護者の性知識と性教育に対する意識．中部大学生命健康科学研究所紀要創刊号，33-41. 白井ほなみ，草野恵子，柴田千雅子（1988）．中学生と中学生を持つ親の「性」に関する意識及び家庭における性教育の現状．思春期学，6(4)，402-408. 松田美佐（2005）．若者の友人関係とケータイ．母性衛生，46(1)，13-15. 山地佳代（2002）．家庭における性教育の可能性に関する研究．母性衛生，43(4)，549-554. Coleman, J.C., & Hendry, L.B. (1999)／白井利明，若松養亮，杉村和美他訳（2003）．青年期の本質．京都：ミネルヴァ書房. |
| References_xml | – reference: 瀬戸致行（2001）．今後の性教育を考える—思春期クリニックの現状から—．思春期学，19(3)，285-289. – reference: 財団法人日本性教育協会編（2007）．「若者の性」白書，第6回青少年の全国調査報告．東京：小学館. – reference: 林猪都子，波川京子（2000）．児童と両親の性教育に関するニーズの相違.母性衛生，41(2)，266-270. – reference: 厚生労働省統計 http://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1.html [2010-06-25] – reference: Baldwin, S.E., & Baranoski, M.V. Family (1990). Interaction sex education in the home. Adolescence, 25(99), 573-582. – reference: 渡辺典子（2004）．大学生の性の実態と今後の性教育のあり方．思春期学，22(4)，547-554. – reference: 健やか親子21検討委員会：健やか親子21検討会報告書 http:/rhino.yamanashi-med.ac.jp/sukoyaka/index.html[2006-12-4] – reference: 宍戸章予，斉藤益子，木村好秀（2007）．わが国の家庭での性教育に関する研究の動向と今後の課題．思春期学，25(3)，337-349. – reference: Coleman, J.C., & Hendry, L.B. (1999)／白井利明，若松養亮，杉村和美他訳（2003）．青年期の本質．京都：ミネルヴァ書房. – reference: 宮崎つた子（2004）．Virtual image時代の思春期の性の問題と対応，性教育の経験の受け止めと今後の方向性．思春期学，22(3)，345-352. – reference: 白井ほなみ，草野恵子，柴田千雅子（1988）．中学生と中学生を持つ親の「性」に関する意識及び家庭における性教育の現状．思春期学，6(4)，402-408. – reference: 武富弥栄子，尾崎岩太，山田茂人（2003）．大学生保護者のHIV・STDに関する意識調査．日本エイズ学会，5(2)，76-81. – reference: Dutra, R. Miller. K.S., & Forehand. R. (1999). The process and content of sexual communication with adolessence in two-parent families associations with sexual risk-taking behavior. AIDS and Behavior, 3(1), 59-66. – reference: 渋井哲也（2005）．Virtual image時代の思春期の性の問題と対応，インターネットとセックス．母性衛生，46(1)，11-12. – reference: 深谷昌志（2000）．モノグラフ．小学生ナウ，21(1)，19-21. – reference: 松田美佐（2005）．若者の友人関係とケータイ．母性衛生，46(1)，13-15. – reference: 斉藤益子，木村好秀，関島秀子（2004）．中学生をもつ親の性意識．思春期学，22(2)，268-274. – reference: 丹羽さゆり，水谷聖子，大橋裕子，水谷勇（2005）．中学生を持つ保護者の性知識と性教育に対する意識．中部大学生命健康科学研究所紀要創刊号，33-41. – reference: 高橋久美子（1994）．中学生の性意識の発達と性教育における親の役割．福岡大学紀要，43(5)，139-148. – reference: 石沢敦子，矢島まさえ（2004）．思春期における性教育のあり方その1．群馬パース学園短期大学紀要，6(1)，3-11. – reference: 川原ゆかり（1998）．性教育と親の権利．思春期学，16(2)，227-231. – reference: 内田貞子（2001）．性教育での家庭・地域・学校の連携の一例．思春期学，19(1)，52-57. – reference: 田川真理子，池田明美，吉開陽子（2001）．二次性徴の発現に伴う性の悩みと親子関係．母性衛生，42(1)，34-42. – reference: Fusae Kondo，多田敏子，濱佳子（2001）．中学・高校生の性にかかわる問題と学校における性教育．徳島大医短紀要，11，49-59. – reference: 小川好美，朝井均（2006）．性教育における日独比較検討．大阪教育大学紀要，55(1)，1-20. – reference: 鈴木康江（2005）．思春期性教育活動にむけての基礎調査．母性衛生，45(4)，512-517. – reference: 山地佳代（2002）．家庭における性教育の可能性に関する研究．母性衛生，43(4)，549-554. |
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| SubjectTerms | 家庭 思春期 性教育 親子関係 親役割 |
| Title | 家庭での性教育における親の果たすべき役割 |
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| ispartofPNX | 日本助産学会誌, 2010, Vol.24(2), pp.333-344 |
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