ウサギの皮膚疾患の発生状況に関する検討

ウサギにおいて発生頻度の高い皮膚疾患の診療技術向上のため,皮膚疾患の発生状況について検討した。原因別に分類したところ,最も多かったのは細菌性皮膚疾患(36.1%)で,次いで物理的要因による皮膚疾患(26%),真菌性皮膚疾患(25.6%),寄生性皮膚疾患(12.3%)の順であった。各皮膚疾患の平均治療期間は皮膚糸状菌症で最も長く,次いでトレポネーマ症,湿性皮膚炎,ツメダニ症の順であった。再発率が最も高いのも皮膚糸状菌症で,トレポネーマ症と湿性皮膚炎がこれに次いだ。皮膚疾患の発生頻度には季節による特徴は認められなかった。ウサギの皮膚疾患は長期の加療を要することも多いので,オーナーに対し,治療開始前...

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Published in獣医臨床皮膚科 Vol. 10; no. 3; pp. 113 - 118
Main Authors 鶴岡, 学, 田川, 雅代, 斉藤, 久美子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本獣医皮膚科学会 2004
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ISSN1347-6416
1881-2236
DOI10.2736/jjvd.10.113

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Summary:ウサギにおいて発生頻度の高い皮膚疾患の診療技術向上のため,皮膚疾患の発生状況について検討した。原因別に分類したところ,最も多かったのは細菌性皮膚疾患(36.1%)で,次いで物理的要因による皮膚疾患(26%),真菌性皮膚疾患(25.6%),寄生性皮膚疾患(12.3%)の順であった。各皮膚疾患の平均治療期間は皮膚糸状菌症で最も長く,次いでトレポネーマ症,湿性皮膚炎,ツメダニ症の順であった。再発率が最も高いのも皮膚糸状菌症で,トレポネーマ症と湿性皮膚炎がこれに次いだ。皮膚疾患の発生頻度には季節による特徴は認められなかった。ウサギの皮膚疾患は長期の加療を要することも多いので,オーナーに対し,治療開始前に治癒機転の正しい予測に基づいた十分なインフォームドコンセントを行うことが重要であると思われた。
ISSN:1347-6416
1881-2236
DOI:10.2736/jjvd.10.113