生体肝移植後C型肝炎にペグインターフェロン治療を行いドナー由来のHBV再活性化とde novo自己免疫性肝炎を発症した1例
症例は63歳,女性.2007年2月にC型肝炎の急性増悪に対して,生体肝移植術を施行した.術後,C型肝炎の再発を認め,同年5月からペグインターフェロン・リバビリン(Peg-IFN/RBV)併用療法を開始した.脾摘を併用し,2011年10月にウイルス学的著効(SVR)を達成した.しかし,IFN終了前から肝機能障害と血清IgG値と抗核抗体(ANA)の上昇を認め,IFN治療後のde novo自己免疫性肝炎(DAIH)が疑われた.精査の結果,ドナー由来のB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化およびDAIHと診断され,エンテカビルとステロイドによる治療を行った.肝移植後,IFN治療中に肝機能障害が持続する症例...
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Published in | 肝臓 Vol. 55; no. 10; pp. 604 - 611 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本肝臓学会
2014
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Subjects | |
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ISSN | 0451-4203 1881-3593 |
DOI | 10.2957/kanzo.55.604 |
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Summary: | 症例は63歳,女性.2007年2月にC型肝炎の急性増悪に対して,生体肝移植術を施行した.術後,C型肝炎の再発を認め,同年5月からペグインターフェロン・リバビリン(Peg-IFN/RBV)併用療法を開始した.脾摘を併用し,2011年10月にウイルス学的著効(SVR)を達成した.しかし,IFN終了前から肝機能障害と血清IgG値と抗核抗体(ANA)の上昇を認め,IFN治療後のde novo自己免疫性肝炎(DAIH)が疑われた.精査の結果,ドナー由来のB型肝炎ウイルス(HBV)再活性化およびDAIHと診断され,エンテカビルとステロイドによる治療を行った.肝移植後,IFN治療中に肝機能障害が持続する症例では,DAIHの可能性も念頭に,血清IgG値やANA,肝生検による検索を行うことが重要と考えられた. |
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ISSN: | 0451-4203 1881-3593 |
DOI: | 10.2957/kanzo.55.604 |