小児期から繰り返す気胸で発見されたBirt-Hogg-Dubé症候群の1例

症例は27歳,女性.12歳時,15歳時に他院で左気胸の治療歴あり.左胸痛,呼吸困難を主訴に当院を受診し,左気胸を指摘され脱気で改善するも再発したため当科紹介となった.胸部CT検査で両側下葉縦隔側優位に多発する小さな肺囊胞と左下葉肺底部に45 mmの多房性肺囊胞を認めた.この多房性肺囊胞を病態の主座と考え胸腔鏡下左肺底区切除術を施行した.特徴的な画像所見や気胸の家族歴などから,Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群を疑った.術後に遺伝子解析を行いFLCN遺伝子変異が検出され,BHD症候群と確定診断した.小児気胸は稀であるが,家族歴や画像所見を詳細に検討し,背景疾患としてBHD症候群を考慮す...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 359 - 364
Main Authors 本田, 貴裕, 田内, 俊輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本呼吸器外科学会 15.05.2024
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.38.359

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Summary:症例は27歳,女性.12歳時,15歳時に他院で左気胸の治療歴あり.左胸痛,呼吸困難を主訴に当院を受診し,左気胸を指摘され脱気で改善するも再発したため当科紹介となった.胸部CT検査で両側下葉縦隔側優位に多発する小さな肺囊胞と左下葉肺底部に45 mmの多房性肺囊胞を認めた.この多房性肺囊胞を病態の主座と考え胸腔鏡下左肺底区切除術を施行した.特徴的な画像所見や気胸の家族歴などから,Birt-Hogg-Dubé(BHD)症候群を疑った.術後に遺伝子解析を行いFLCN遺伝子変異が検出され,BHD症候群と確定診断した.小児気胸は稀であるが,家族歴や画像所見を詳細に検討し,背景疾患としてBHD症候群を考慮する必要がある.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.38.359