エホバの証人信者に対する小切開大動脈弁置換術の経験

症例は64歳男性.半年前より胸痛を認め,大動脈弁狭窄症と診断されて,当科紹介受診となった.患者はエホバの証人信者であり,無輸血手術を希望した.そのため胸骨切開を行わない小切開大動脈弁置換術(MICS AVR)を行う方針とした.手術は右第4肋間開胸アプローチし,機械弁ATS AP360 20 mmで大動脈弁置換を行った.手術直後のHb値は11.2 g/dlであった.経過良好で術後17日に退院となった.エホバの証人信者のように無輸血で手術を行わなくてはならない場合,胸骨を切らずにアプローチするMICS AVRは,出血も少なく有用な方法と考えられた....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 43; no. 5; pp. 287 - 290
Main Authors 都津川, 敏範, 坂口, 太一, 平岡, 有努, 石田, 敦久, 吉鷹, 秀範, 松下, 弘, 毛利, 教生, 入澤, 友輔, 田村, 健太郎, 近沢, 元太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2014
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.43.287

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Summary:症例は64歳男性.半年前より胸痛を認め,大動脈弁狭窄症と診断されて,当科紹介受診となった.患者はエホバの証人信者であり,無輸血手術を希望した.そのため胸骨切開を行わない小切開大動脈弁置換術(MICS AVR)を行う方針とした.手術は右第4肋間開胸アプローチし,機械弁ATS AP360 20 mmで大動脈弁置換を行った.手術直後のHb値は11.2 g/dlであった.経過良好で術後17日に退院となった.エホバの証人信者のように無輸血で手術を行わなくてはならない場合,胸骨を切らずにアプローチするMICS AVRは,出血も少なく有用な方法と考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.43.287