蘇生時の心電図から診断したカテコラミン誘発性多形性心室頻拍の4歳児例

症例は4歳,男児。既往歴や家族歴は特にない。外出しようとした玄関先で失神し,9分後救急隊車内収容時に心肺停止であったため蘇生が開始された。心停止から30分で自己心拍が再開した。蘇生時の頻回の多形性心室頻拍と,それに続く心室細動からカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia, CPVT)を疑い,遺伝子検査で常染色体劣性遺伝のcalsequestrin 2(CASQ2)遺伝子異常を2ヵ所認め,確定診断に至った。神経学的後遺症を残したものの,現在β遮断薬内服で再発作を認めず管理している。診断や薬効評価に...

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Published in日本集中治療医学会雑誌 Vol. 22; no. 5; pp. 439 - 442
Main Authors 本田, 隆文, 浜田, 洋通, 平井, 希, 寺井, 勝, 木村, 翔, 保科, しほ, 川村, 美朋子, 堀江, 稔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本集中治療医学会 2015
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ISSN1340-7988
1882-966X
DOI10.3918/jsicm.22.439

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Summary:症例は4歳,男児。既往歴や家族歴は特にない。外出しようとした玄関先で失神し,9分後救急隊車内収容時に心肺停止であったため蘇生が開始された。心停止から30分で自己心拍が再開した。蘇生時の頻回の多形性心室頻拍と,それに続く心室細動からカテコラミン誘発性多形性心室頻拍(catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia, CPVT)を疑い,遺伝子検査で常染色体劣性遺伝のcalsequestrin 2(CASQ2)遺伝子異常を2ヵ所認め,確定診断に至った。神経学的後遺症を残したものの,現在β遮断薬内服で再発作を認めず管理している。診断や薬効評価に関して,幼児では運動負荷検査の実施が難しいため,ホルター心電計装着下で家族と共に運動させるなどの工夫が必要である。
ISSN:1340-7988
1882-966X
DOI:10.3918/jsicm.22.439