Winslow孔への嵌頓により閉塞性黄疸を生じた遊走胆嚢の1例

胆嚢Winslow孔ヘルニアと胆嚢捻転の合併は極めて稀な病態である。かつこの病態による閉塞性黄疸合併の報告は無い。症例は97歳の女性。心窩部痛を主訴として受診。眼球結膜と皮膚に黄染を認め,血液検査で黄疸及び炎症反応陽性であった。腹部超音波と腹部CTで胆嚢捻転と診断され,かつ胆嚢のWinslow孔への嵌頓が疑われた。緊急開腹術を施行したところ上記の病態が確認され,黄疸は嵌入胆嚢による総胆管の背側からの圧排が原因と判明した。術後は順調に経過し第23病日退院となり,術後約24か月の現在,元気で外来通院中である。遊走胆嚢のWinslow孔への嵌頓と捻転により閉塞性黄疸を生じた,過去に例の無い症例を経験...

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Published in日本救急医学会雑誌 Vol. 19; no. 1; pp. 1 - 5
Main Authors 賀久, 道明, 森, 尚秀, 池田, 祐二, 伊藤, 哲哉, 山家, 仁, 中村, 大介, 青木, 浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本救急医学会 2008
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ISSN0915-924X
1883-3772
DOI10.3893/jjaam.19.1

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Summary:胆嚢Winslow孔ヘルニアと胆嚢捻転の合併は極めて稀な病態である。かつこの病態による閉塞性黄疸合併の報告は無い。症例は97歳の女性。心窩部痛を主訴として受診。眼球結膜と皮膚に黄染を認め,血液検査で黄疸及び炎症反応陽性であった。腹部超音波と腹部CTで胆嚢捻転と診断され,かつ胆嚢のWinslow孔への嵌頓が疑われた。緊急開腹術を施行したところ上記の病態が確認され,黄疸は嵌入胆嚢による総胆管の背側からの圧排が原因と判明した。術後は順調に経過し第23病日退院となり,術後約24か月の現在,元気で外来通院中である。遊走胆嚢のWinslow孔への嵌頓と捻転により閉塞性黄疸を生じた,過去に例の無い症例を経験したので報告した。
ISSN:0915-924X
1883-3772
DOI:10.3893/jjaam.19.1