腹腔鏡下手術をしたS状結腸腹膜垂による絞扼性イレウスの1例

症例は66歳,女性.腹痛を主訴に来院した.腹部造影CT検査で小腸の拡張とclosed loop所見を認めた.絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.腹腔鏡で腹腔内を観察したところ,S状結腸腹膜垂が腸間膜と一部癒着し,その中に小腸が嵌頓していた.腹膜垂の切除のみで絞扼は解除され小腸切除は不要であった.術後経過は良好であった.腹膜垂が原因となるイレウスは比較的稀な疾患である.今回われわれは,腹腔鏡下手術にて治療しえたS状結腸腹膜垂絞扼性イレウスの1例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告した....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 7; pp. 1730 - 1734
Main Authors 高橋, 深幸, 若林, 和彦, 末松, 友樹, 齋藤, 洋之, 伊藤, 豊, 石橋, 雄次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2016
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.77.1730

Cover

More Information
Summary:症例は66歳,女性.腹痛を主訴に来院した.腹部造影CT検査で小腸の拡張とclosed loop所見を認めた.絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.腹腔鏡で腹腔内を観察したところ,S状結腸腹膜垂が腸間膜と一部癒着し,その中に小腸が嵌頓していた.腹膜垂の切除のみで絞扼は解除され小腸切除は不要であった.術後経過は良好であった.腹膜垂が原因となるイレウスは比較的稀な疾患である.今回われわれは,腹腔鏡下手術にて治療しえたS状結腸腹膜垂絞扼性イレウスの1例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.77.1730