術後早期再発し化学療法を行った上行結腸大細胞型神経内分泌細胞癌の1例

大腸癌において,神経内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma:以下NEC)は比較的稀な組織型であり,小細胞型NEC(small cell NEC;以下SCNEC)と大細胞型NEC(large cell NEC;以下LCNEC)に分類される.今回稀な上行結腸LCNECの1治療例を経験した.症例は77歳の男性,食欲不振で当院を受診した.精査で,上行結腸癌T4a N2 M0 Stage III C(UICC-TNM)と診断し,根治切除を行った.術後病理診断で,LCNEC,T4a N1a M0 Stage III B(UICC-TNM)であった.術後補助化学療法は行わなかった.術...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 6; pp. 1190 - 1196
Main Authors 山口, 哲司, 神山, 公希, 加藤, 奈月, 高坂, 佳宏, 日野, 浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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Summary:大腸癌において,神経内分泌細胞癌(neuroendocrine carcinoma:以下NEC)は比較的稀な組織型であり,小細胞型NEC(small cell NEC;以下SCNEC)と大細胞型NEC(large cell NEC;以下LCNEC)に分類される.今回稀な上行結腸LCNECの1治療例を経験した.症例は77歳の男性,食欲不振で当院を受診した.精査で,上行結腸癌T4a N2 M0 Stage III C(UICC-TNM)と診断し,根治切除を行った.術後病理診断で,LCNEC,T4a N1a M0 Stage III B(UICC-TNM)であった.術後補助化学療法は行わなかった.術後2カ月でリンパ節再発,多発肝転移が出現した.肺小細胞癌に準じCPPD+CPT-11療法を行い,一定期間SDを維持できた.二次治療としてはCPT-11単剤療法を行ったが,術後18カ月で永眠した.文献的考察を加えて報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.1190