呼吸器感染症に対するNetilmicinとSisomicinの二重盲検法による薬効比較試験成績
呼吸器感染症に対するNetilmicinの有効性および安全性を評価検討する目的で, Sisomicinを対照とした二重盲検比較試験を実施した. Netilmicinは1回100mgを, Sisomicinは1回75mgを1日2回, 7日ないし14日間筋肉内に注射した. 1. 検討症例: 投与総症例は226例で, このうち小委員会は189例 (小委員会判定例) を, コントローラーは217例 (主治医判定例) を臨床効果判定の解析に採用した. 2. 臨床効果: 小委員会判定例の肺炎, 主治医判定例の肺炎, 肺化膿症および慢性呼吸器感染症では両群問に有意差は認められなかったが, 小委員会判定例の慢...
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Published in | 感染症学雑誌 Vol. 57; no. 1; pp. 82 - 112 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本感染症学会
01.01.1983
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0387-5911 1884-569X |
DOI | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.57.82 |
Cover
Summary: | 呼吸器感染症に対するNetilmicinの有効性および安全性を評価検討する目的で, Sisomicinを対照とした二重盲検比較試験を実施した. Netilmicinは1回100mgを, Sisomicinは1回75mgを1日2回, 7日ないし14日間筋肉内に注射した. 1. 検討症例: 投与総症例は226例で, このうち小委員会は189例 (小委員会判定例) を, コントローラーは217例 (主治医判定例) を臨床効果判定の解析に採用した. 2. 臨床効果: 小委員会判定例の肺炎, 主治医判定例の肺炎, 肺化膿症および慢性呼吸器感染症では両群問に有意差は認められなかったが, 小委員会判定例の慢性呼吸器感染症では, Sisomicin群が有意 (p<0.05) に優れた成績であった.しかし, 呼吸器感染症全症例では小委員会判定例, 主治医判定例とも両群間に有意差は認められなかった.3.症状,徴候の改善度:いずれの項目においても両群間に有意差は認められなかった. 4. 細菌学的効果二菌種別および単独, 混合感染別にも両群間に有意差は認められなかった. 5. 副作用, 臨床検査値異常: 副作用は両群ともに3例ずつみられたが, その種類は他のアミノ配糖体系抗生剤にもみられるものであった. 臨床検査値異常については, 小委員会判定で好酸球増多例がNetilmicin群に有意 (p<0.1) に多く認められたが, 他の検査項目および主治医判定の全検査項目において両群間に有意差は認められなかった. 6. 有用性二呼吸器感染症全症例および疾患群別のいずれにも両群間に有意差は認められなかった. |
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ISSN: | 0387-5911 1884-569X |
DOI: | 10.11150/kansenshogakuzasshi1970.57.82 |