中咽頭側壁扁平上皮癌の臨床検討

1997年から2008年の12年間に一次治療を行った中咽頭側壁扁平上皮癌45例を検討した。5年粗生存率は55%,5年疾患特異的生存率は67%であった。原発巣の一次治療(N=45)は,concurrent chemoradiotherapy(以下CCRT)が37例,手術が8例であり,それぞれの治療法における5年原発巣制御率は,CCRTが69%,手術が88%であった。5年頸部リンパ節制御率は,救済手術を含むCCRT症例が65%,術後照射を含む頸部郭清術症例が100%(有意差)であった。CCRT症例ではN2a,N3での制御率が低く,特に転移リンパ節サイズが40mm以上で制御できない印象を受けたため,...

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Published in頭頸部外科 Vol. 22; no. 1; pp. 47 - 51
Main Authors 寺田, 友紀, 宇和, 伸浩, 佐伯, 暢生, 阪上, 雅史, 佐川, 公介, 毛利, 武士
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2012
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.22.47

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Summary:1997年から2008年の12年間に一次治療を行った中咽頭側壁扁平上皮癌45例を検討した。5年粗生存率は55%,5年疾患特異的生存率は67%であった。原発巣の一次治療(N=45)は,concurrent chemoradiotherapy(以下CCRT)が37例,手術が8例であり,それぞれの治療法における5年原発巣制御率は,CCRTが69%,手術が88%であった。5年頸部リンパ節制御率は,救済手術を含むCCRT症例が65%,術後照射を含む頸部郭清術症例が100%(有意差)であった。CCRT症例ではN2a,N3での制御率が低く,特に転移リンパ節サイズが40mm以上で制御できない印象を受けたため,今後このような症例は頸部郭清術を選択することも考慮したい。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.22.47