ジャガイモシロシストセンチュウに対する捕獲作物「ポテモン」の小麦収穫後栽培による防除効果

トマト近縁種Solanum peruvianumの「ポテモン」はジャガイモシストセンチュウ類の防除に有効な捕獲作物であり、北海道のオホーツク地域で発生したジャガイモシロシストセンチュウ(以下Gp)の緊急防除で利用され、高い効果をあげてきた。しかし、収益作物を休閑しての利用は農業生産活動に及ぼす影響が大きい問題があった。そこで、収益作物が栽培されていない小麦収穫後の8月中旬〜10月に「ポテモン」を栽培してGp防除が可能か検討した。 生育量は休閑栽培に比べて貧弱であり、早霜により栽培期間が短縮され、密度低減効果がやや低くなる場合もあったが、Gp密度は平均で28.2%へ減少し、無播種との差も有意だっ...

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Published in日本線虫学会誌 Vol. 53; no. 1_2; pp. 11 - 14
Main Authors 小野寺, 鶴将, 伊藤, 賢治, 坂田, 至, 串田, 篤彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本線虫学会 20.12.2023
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ISSN0919-6765
1882-3408
DOI10.3725/jjn.53.11

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Summary:トマト近縁種Solanum peruvianumの「ポテモン」はジャガイモシストセンチュウ類の防除に有効な捕獲作物であり、北海道のオホーツク地域で発生したジャガイモシロシストセンチュウ(以下Gp)の緊急防除で利用され、高い効果をあげてきた。しかし、収益作物を休閑しての利用は農業生産活動に及ぼす影響が大きい問題があった。そこで、収益作物が栽培されていない小麦収穫後の8月中旬〜10月に「ポテモン」を栽培してGp防除が可能か検討した。 生育量は休閑栽培に比べて貧弱であり、早霜により栽培期間が短縮され、密度低減効果がやや低くなる場合もあったが、Gp密度は平均で28.2%へ減少し、無播種との差も有意だったことから、麦後栽培体系はGpの密度低減を期待できる栽培体系であることが明らかになった。
ISSN:0919-6765
1882-3408
DOI:10.3725/jjn.53.11