臓器虚血を伴う急性 A 型大動脈解離に対し,血管内治療先行の人工血管置換術を施行した1治験例
症例は47歳男性.自宅で胸背部痛を自覚し当院に救急搬送された.胸腹部造影CT検査でStanfordA型急性大動脈解離と診断された.腹腔動脈は血流をみとめず上腸間膜動脈も血流は遅延していた.心嚢液は少量で循環動態は安定していたが代謝性アシドーシスが進行して臓器虚血が疑われたためcentral repairに先行し血管内治療による腹部分枝の血行再建を行い,その後大動脈全弓部人工血管置換術を施行した.術後一時的に対麻痺を認めスパイナルドレナージと血圧を昇圧することで回復し術後第68病日独歩退院となった.臓器虚血を伴うStanfordA型急性大動脈解離に対し血管内治療を先行させ,良好な結果を得たため文...
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Published in | 日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 48; no. 2; pp. 138 - 141 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会
15.03.2019
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Subjects | |
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ISSN | 0285-1474 1883-4108 |
DOI | 10.4326/jjcvs.48.138 |
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Summary: | 症例は47歳男性.自宅で胸背部痛を自覚し当院に救急搬送された.胸腹部造影CT検査でStanfordA型急性大動脈解離と診断された.腹腔動脈は血流をみとめず上腸間膜動脈も血流は遅延していた.心嚢液は少量で循環動態は安定していたが代謝性アシドーシスが進行して臓器虚血が疑われたためcentral repairに先行し血管内治療による腹部分枝の血行再建を行い,その後大動脈全弓部人工血管置換術を施行した.術後一時的に対麻痺を認めスパイナルドレナージと血圧を昇圧することで回復し術後第68病日独歩退院となった.臓器虚血を伴うStanfordA型急性大動脈解離に対し血管内治療を先行させ,良好な結果を得たため文献的考察を含めて報告する. |
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ISSN: | 0285-1474 1883-4108 |
DOI: | 10.4326/jjcvs.48.138 |